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 2016年1月から配信された、タカラトミーの『人生ゲーム「人生に驚きと歓びを」篇』という動画をご存じだろうか。空港の荷物受取口で繰り広げられる、様々なサプライズ。それはまさに、現実で人生ゲームを体感しているかのような内容になっている。そして同動画は、多くのメディアに取り上げられ、再生回数も公開開始からわずか2週間で1,000万回を突破した。では、なぜ短期間でこの再生回数まで到達できたのか。担当者であるタカラトミーのWEBマーケティング課長の竹川 洋志氏とオプトのオンラインビデオアドソリューション部チームマネージャーの伊藤 弘明氏に話を聞いた。

■タカラトミーの新組織×オプトの動画特化型組織によるバイラル動画

 タカラトミーは、1月に同社が販売する「人生ゲーム」のプロモーションに動画を活用した施策を展開した。公開した動画では、空港の手荷物受取用のコンベアを人生ゲームに見立て、荷物を受け取ったマス目に書かれたサプライズが行われる内容になっている。そして、公開後の再生数は目標としていた100万回を大きく上回る1,000万回を突破、「人生ゲーム」の実売数も増加したという。今回、目標数値の10倍の結果が出た理由、また企画背景やバイラルさせる秘訣などをタカラトミーの担当者である竹川洋志氏と動画マーケティングを支援したオプトの伊藤弘明氏に聞いた。

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、竹川さんの業務内容を教えてください。

竹川:私の業務内容をお伝えする前に、弊社の事情をお話しすると、タカラトミーでは90年以上玩具を販売しているのですが、ここ1年前くらいまで、デジタルマーケティングにあまり注力していませんでした。

MZ:それは意外ですね。何が転機となったのですか。

竹川:2015年の6月に日本コカ・コーラのマーケティング本部長だった経歴を持つ、弊社の副社長だったメイがCEOに昇格したことが大きな転機でした。メイは時代に合わせて、ソーシャルメディアやデジタル広告を活用したマーケティングを加速させていこうと、新しい部署を公募で立ち上げました。それが現在私の所属している次世代マーケティング室になります。

 弊社はプロダクトやジャンルごとに企画から開発、生産までを行っていますが、私の部署は既存の部署を横断して、オンライン・オフライン問わずマーケティングを管轄しています。そして、私は主にデジタルマーケティングに関する施策を担当しています。

MZ:では、別の部署から公募で現在の部署に所属したということですね。

竹川:その通りです。メンバーのほとんどが公募で意志を持って集まっています。もちろん以前よりあったECやホームページを制作・運営している部署と統合したものの、デジタルマーケティングを推進する部署が立ち上がったのは弊社史上初めてのことでした。

MZ:伊藤さんは現在どういった業務を行っているのですか。

伊藤:私はオプトの中でもオンラインビデオに特化した組織に所属し、動画を軸にしたプロモーション支援をクライアント様に対し行っています。業界のなかでもいち早く2013年から動画に特化した専門部署として発足しており、動画のクリエイティブ制作や広告プランニング・運用それぞれに関する知見を持った人材が所属しているため、トータルでサポートできる特徴があります。そのなかで、私はプロモーション全体のプランニングを担当しています。
(左)株式会社タカラトミー 次世代マーケティング室 WEBマーケティング課 担当課長 竹川 洋志 (ひろし)氏
(右)株式会社オプト オンラインビデオアドソリューション部 チームマネージャー 伊藤 弘明氏

■人生ゲームに新鮮味を持たせたい

MZ:今回の動画を作られた背景をお伺いできますか。
4月2日に発売された新「人生ゲーム」

竹川:実は4月2日に人生ゲームの新バージョンを8年ぶりにリリースしまして、今回公開した動画はそのティザーとしての役割を担っています。人生ゲームは50年近く続いている商品ですので、日本国民であればほとんどの方が知っていると思います。しかしそれ故に、新しいリリースが新鮮味に欠けてしまう。そこで、事前に話題作りをしたいと考え今回の施策実施に至りました。

MZ:なぜ、様々な施策が考えられる中で、動画を選んだのですか。

竹川:部署が立ち上がってから約1年、オウンドメディアやソーシャルメディアなどを活用した施策に取り組んできました。もちろん、動画に関する施策も行ってきたのですが、世の中の話題になるという経験はまだありませんでした。そこで、動画の施策で成功事例を作りたいと考え、今回の施策を始めるに至りました。

MZ:ファミリー向けの玩具だと思うですが、施策を設計する上で悩んだ点はありますか。

竹川:子供向けの商品の場合、アニメ内でのCMやマンガ雑誌内での広告といったプロモーションを仕掛けることができます。しかし、ファミリーとなると特定の媒体というのはありません。自社でも顧客に関するデータを持っているものの、どの様にアプローチすればいいかわからないという課題がありました。

道上 飛翔(編集部)[著]