マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画がにわかに熱を帯びてきた。同計画は日本、中国のみならず、韓国が受注競争に参入する意向を示しているが、中国メディアの今日頭条はこのほど、現時点で日本が有利な点と中国が有利な点の双方を紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画がにわかに熱を帯びてきた。同計画は日本、中国のみならず、韓国が受注競争に参入する意向を示しているが、中国メディアの今日頭条はこのほど、現時点で日本が有利な点と中国が有利な点の双方を紹介する記事を掲載した。

 記事は同計画において、日本が有利と考えられる点について、まずシンガポール側が新幹線に好意的な見方を示していることを挙げた。シンガポールは新幹線の車両や信号システムを手掛ける日本企業の豊富な経験に好感を抱いていると紹介している。

 一方記事は中国が有利な点について、マレーシア側が中国高速鉄道のコストパフォーマンスを高く評価していると説明。同計画における大部分の区間はマレーシア側に敷設されるため、マレーシア側はより巨額の建設費用を負担しなければならない。そのためマレーシアは新幹線より安く、資金の調達も容易な中国に注目していると説明した。

 また記事はマレーシアのナジブ首相も中国側に好意な態度を示した一幕を紹介。3月21日、中国中鉄は20億ドルを投じてクアラルンプール郊外の開発プロジェクト「大馬城」に参加すると発表したが、会見に同席していたナジブ首相は「高速鉄道はクアラルンプールと世界をつなぐ径路になる」と絶賛した。

 記事が紹介している材料だけで判断するなら、現時点で日本は不利と言えるかもしれない。シンガポール側は日本の技術を高く評価しているが、技術的な観点でいえば中国高速鉄道を採用しても大きな問題は生じないと判断する可能性はあるだろう。また建設費用の多くを負担するのがマレーシア側であるという材料からも、もしマレーシアがコスト面の理由から中国高速鉄道を採用したいと主張したとき、シンガポール側には新幹線を採用するようマレーシア側の主張をひっくり返すだけの理由はないだろう。

 日本は苦戦を強いられそうだが、日本が受注競争を勝ち抜くためのポイントはシンガポールではなく、マレーシアの心をどう捉えるかにあるといえそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)