連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第3週「常子、はじめて祖母と対面す」第17話 4月22日(金)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓


妾の次は、常子(高畑充希)の嫁入り問題が勃発!

期せずして、常子が滝子(大地真央)にその才気を見せつけてしまったがために、鞠子(相楽樹)にモノマネまでされている「話せば話すほど幻滅していくひと」清(大野拓朗)の嫁に、という話に。
すでに常子のなかで清の株は大暴落しているので、ありがた迷惑だろう。でもきっとこれも、即解決するに7万ペリカ。

鉄郎役の向井理がまだ普通のイケメンのイメージが強かった頃、「ママさんバレーでつかまえて」(08、09年)でコメディーに挑戦させた西田征史が、大野拓朗のことも、正当派2枚目なところを面白い方向で生かしている。
彼自身が出て来ずとも、モノマネされることで視聴者に印象づけられるのだから、お得ではないか。
しかも清は「話せば話すほど幻滅していくひと」ではあるものの、常子に、滝子(大地真央)が人脈豊富であるという有益な情報をもたらすという役にも立った。今日の夕飯のおかずが天ぷら情報をもたらすだけではなかったのだ。

滝子についてまわれば、職がみつからず困っているかか(木村多江)の役にたつかもしれないと考えた常子は、頼み込んで行動を共にする。
お得意先のひとに「お邪魔しました、さようなら」とていねいに挨拶する常子。さらに、お店(たな)の様子をしっかり観察して優秀さを発揮。
祖母が「世間話しながら情報を集めて先行きを判断」していることをすぐに察して、滝子を感心させた。
この「世間話しながら情報を集めて先行きを判断」は生きるうえで大事なことなので覚えておきたい。
滝子は常子に「普通の暮らしを守ることが自分たちの仕事だと思っている」「いい木を売って何があっても壊れない家をつくる」という話をする。15話で栄太郎(片岡鶴太郎)が語った関東大震災があった話が、滝子の決意と重なった。
常子は、亡きとと(西島秀俊)の思いと滝子の思いに共通点を見出す。こうして、ととが基礎をつくった常子のものの考え方が、祖母・滝子によって仕上がっていく。
(木俣冬)