ビジネスの成功と「片付け」には密接な関わりがあった!?
◆空間心理カウンセラー・伊藤勇司の「成功するビジネス×片づけ術」第一回

 はじめまして。空間心理カウンセラーの伊藤勇司です。このたび、ハーバービジネスオンラインにて「ビジネスと片づけ術」をテーマに連載させていただくことになりました。

「部屋は精神状態を表す鏡である」とはよく言われますね?

 たとえば、ダイエットしてもリバウンドしてしまう人はモノを大事に扱わず、部屋に雑多な小物が溜め込まれている傾向があったり、自己評価が低く他力本願な人の本棚には自己啓発本が溢れているなど、一定の共通点があります。

 空間心理カウンセラーになる前の私は、引っ越し会社に勤めていました。そのとき、1日に3件の離婚家庭の引っ越しを行ったのですが、その家庭全てに共通していたのは、部屋が荒れに荒れていたことでした。

 実は当時の私の部屋も同じようなありさまで、現場で見た離婚家庭の部屋にヒントを得て、部屋の状態が自分のどんな心理状態を表しているのかを分析しながら片付けを実践してみました。すると思考が根本的に切り変わり、あらゆることが好転していきました。同じような友人や後輩たちにもアドバイスしたところ、皆例外なくうまくいき始めたのです。

 私がこれからお伝えする「空間心理」理論は、片付けとその後の空間の状態によってもたらされる心理的効果を重要視したもの。問題を引き起こしている要因を片付け行動を通じて解決し、内面に変容をもたらすことで願望の実現や成功へと繋げる逆説的なテクニックです。

 もちろん、ビジネスの成功と部屋の状態にも密接な関係があります。仕事のパフォーマンスを高めたい、ビジネスで継続的な成功を収めたいと思うのであれば、まずやるべきことは自分の部屋やデスクを見つめ直すこと。それによって、ビジネスを永続的に発展繁栄させ続ける考え方が自然に身についていくのです。

◆デスクの上を「無」にして、集中力が上がった投資家のケース

 仕事がうまくいかないと悩んでいる人はデスクが乱雑で、その多くは「集中力がない」と嘆いています。

 投資系の仕事をしているクライアントの例を紹介します。

 彼は、常に変動する相場を見極めるためには集中力が必要不可欠だということで、数十万円の高額な集中力開発セミナーに通い、トレーニングを行っていました。その話を聞いて気になった私は、彼がいつもパソコンで相場をチェックしているデスクを見せてもらいました。

 すると、彼の机にはノートパソコンの両脇に本や書類が沢山積み上げられていました。

 そこで私は彼に、「一旦本や書類を机の下に移動させるだけでもいいので、1週間だけデスクにはノートパソコン以外は何も置かないように心がけてみてください」とだけ伝え、それ以外はいつもと変わらず同じように過ごして頂きました。

 すると1週間も経たないうちに、彼から連絡が来ました。

「伊藤さん、デスクに積み上げていたものを言われた通りに机の下に移動させただけで、集中力が驚くほど上がりました。そのおかげもあってか、判断力も冴え、ここ数日で利益を上げることができました」

 机に積んでいたものをデスク下に移動させて、デスクにはノートパソコンだけを置くだけ。1分も、1円もかからない行動です。その単純な環境づくりの行動が、数十万円かけても生み出せなかった集中力と成果を彼にもたらしてくれたのです。部屋を見つめる行為にはお金がかかりません。それだけで驚くべき利益循環が起こるとしたら、素晴らしい費用対効果だと思いませんか?

 今後も、ビジネスに役立つ片付け術をお届けしていきたいと思いますので、どうぞご期待ください。<文/伊藤勇司(空間心理カウンセラー)>

【伊藤勇司】
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー。引越業に従事していた頃、「部屋と心の相関性」に着目し、1000件以上の現場経験をもとに独自の「空間心理」理論を確立。片づけの悩みを心理的な側面から解決する「空間心理カウンセラー」として2008年に独立。セミナー、講演、セッションをこれまで約7000名に実施。クライアントは主婦から企業経営者、作家などまで幅広い。著書に5万部を突破中の『部屋は自分の心を映す鏡でした。』(日本文芸社)、『あなたはなぜ、片づけられないのか?』(PHP研究所)。