子どもの早期のアダルト化と性犯罪の関係性は?

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スマホやタブレット、パソコンの影響で、子どものデジタル化が進み、性に関する動画にも接触しやすくなった。はたして、子どもの進んだデジタル化は、大人になって性犯罪を増長させないものなのか?  京都医療少年院などに在籍し、精神科医の立場で様々な事件に関与してきた「性障害専門医療センター・SOMEC」代表理事・福井裕輝氏を取材。子どものデジタル化が、性犯罪に及ぼす影響を聞いた。

●小さいうちからアダルト動画を見せるのは、性的虐待

「本来男子は、年齢に応じて性の発達を遂げるべきだと思うので、小さいうちからアダルト動画を見てしまうことは、性的虐待にもつながります。児童ポルノも絶対に見せてはいけません。ですが、基本的には、思春期の子がアダルトに興味を持つのはごく自然なこと。お子様が見る内容によって、一概には言えないかもしれませんが、すべてを制する必要はないと思います」(福井氏 以下同)

よく、小児性愛の犯罪者の自宅から、ロリコンものの2次元動画が押収されるケースを目にするが、2次元と小児性愛の関連性はあるのだろうか?

「一概に2次元のアニメやゲームが好きだからといって、小児性愛に移行するとは考えにくいですね。性犯罪は、もっと根深い背景が考えられ、遺伝的要素、耐えがたい封印された過去(性的虐待やイジメ)、こだわりの強い発達障害傾向、人格障害など様々な要因が複雑に絡み合って引き起こされる。犯罪の数だけ、その要因は異なるのです」

昔と違い、性の情報が氾濫する現代。親は、子が“どんな性”に興味を持っているのか…把握しておくことが必要なのだろうか。

「昔は“息子がどんなアダルト誌を見ているか…”、母親が管理することは絶対にありませんでしたよね(笑)。でも今は、子どもたちを取り巻く性の環境も変わってきているので、一概に“管理するな”とも言いがたい。例えば、のぞきや盗撮、ストーカーや露出など、“非接触型”と呼ばれる性犯罪については、毎日同じ時間に家を出ていってある場所で盗撮している…など、明らかに日々の行動に変化が見られます。盗撮やのぞき、下着の窃盗などの場合は、その成果物をコレクションするケースも多く見られ、こういう場合においては、親が部屋をきちんと管理していれば、早目の段階で発見できるはずです」

一般的に言えば、性犯罪はいきなり接触型(レイプや痴漢など)で起きるケースは希で、最初は非接触型から始まり、必ずその前兆が見られるという。今では、福井氏が代表を務める「性障害専門医療センター・SOMEC」のように、性障害で悩む人たちに、ホルモン治療(男性ホルモンの生成を減少させる)を行う施設もある。夫や子ども…家族に何か疑わしい兆候が見られたら、まずは専門家に相談しよう。

(取材・文/吉富慶子)