マレーシアのナジブ首相がこのほど、シンガポールとマレーシアを結ぶ高速鉄道計画について言及し、締結が遅れている覚書は「2016年中にシンガポールと締結できる」との見方を示したことで、同高速鉄道路線に対する関心がにわかに高まっている。(イメージ写真提供:(C)hulv850627/123RF.COM)

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 マレーシアのナジブ首相がこのほど、シンガポールとマレーシアを結ぶ高速鉄道計画について言及し、締結が遅れている覚書は「2016年中にシンガポールと締結できる」との見方を示したことで、同高速鉄道路線に対する関心がにわかに高まっている。

 シンガポールとマレーシアの首都クアラルンプール間の約350キロを結ぶ高速鉄道計画は2013年に両国首相間で正式合意したものの、覚書が締結されないままとなっていた。しかし、ナジブ首相が16年中と時期を明言したことで、中国では同計画の受注に向けて意欲を示す報道が数多く見られるようになった。

 中国メディアの華声在線はこのほど、同高速鉄道計画は中国はもちろん、日本も受注を狙っていることを指摘したうえで、資金や価格競争力による受注合戦とはならないと主張する記事を掲載した。

 インドネシアの高速鉄道計画において、中国はインドネシア側の財政負担や債務保証を求めない条件を提示したことで受注につなげたとされるが、シンガポールとマレーシアを結ぶ高速鉄道計画においては「中国が資金力という武器を用いるかどうかは未知数」と主張。その理由として、まず中国はすでにインドネシア高速鉄道を受注しており、東南アジアで一定の地位を確立していることから、資金力で物事をすすめる必要性に薄いことを挙げた。

 さらに、資金力という武器は必ずしも万能ではないとしたうえで、タイ政府が高速鉄道建設にあたって中国の借款を受けないと発表したことを挙げ、「政局が不安定である地域においては資金と設備をまとめて提供すべきかどうか、実際の状況に応じて検討する必要があるからだ」と論じた。

 また記事は、日本と中国がアジアの高速鉄道市場で受注を競っているのは「世界経済における日中の争いの縮図」であるとし、こうした争いにおいて価格競争は長く続くものではないと指摘し、中国は計略や協力、互恵という観点に基いて受注競争を展開すべきであると論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)hulv850627/123RF.COM)