マーリンズ・イチロー【写真:田口有史】

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1番でシャーザー攻略に貢献、地元メディアも称賛「バットが振れている」

 マーリンズイチロー外野手は21日(日本時間22日)の本拠地ナショナルズ戦で2試合連続スタメン出場し、今季2度目のマルチ安打で勝利に貢献した。2013年のサイ・ヤング賞右腕シャーザーから2本のヒットを放ち、3打数2安打1四球2得点。メジャー通算2942安打とし、3000安打に残り「58」とした。5-1での勝利に貢献したメジャー最年長野手の活躍に、地元メディアは「42歳に見えない!」と驚嘆している。

 シャーザーはこの試合の前までマーリンズ・パークで2勝0敗、防御率0.00と圧倒的な成績を残していたが、「1番・ライト」というかつての定位置に入ったイチローのバットが、相手のエース攻略の糸口を作った。

 まずは1回裏の第1打席。1ボールからの2球目をセンター前に綺麗に運ぶと、地元テレビ局「FOXフロリダ」で解説を務めた元阪神のエドゥワルド・ペレス氏は「完封や完全試合に関する危惧はなくなりました。イチローが仕事をしました。バットは振れていますね。素晴らしい堅実なライナーの当たりでした。(二塁手)マーフィーにはキャッチできるチャンスはありませんでした。とてもいいスイングです」と打撃を絶賛した。

3000安打の金字塔へ「こういうペースで安打を量産する必要がある」

 さらに、2回の第2打席で四球を選ぶと、5回先頭の第3打席ではレフト前に弾き返した。実況は「イチローは昨季序盤にヒットを重ねましたが、8月と9月に失速しました。だが、今の彼は42歳に見えません」と感嘆。メジャー16年目の百戦錬磨のベテランが、年齢を感じさせない活躍を見せていると絶賛した。

 ペレス氏も「本当にいいバッティングです。低速のチェンジアップでしたが、引きつけてますね」とエースを打ち砕いたバッティングを高く評価。地元テレビ局では、イチローがヒットを打つたびに画面左下に“イチメーター”が登場するようになり、カウンターは2942本に更新された。

 実況は「これでフランク・ロビンソンにあと1本と迫る2942安打です。イチローが今季中に3000本安打を達成するとなると、こういうペースで安打を生み出す必要があります。先発の試合にはヒット。代打、ダブルスイッチのチャンスを生かすことが大事です」と語った。

 今季2度目のマルチ安打で、メジャー歴代32位のロビンソン(2943安打)まで残り1本。打率.389となった。衰え知らずのベテランは、金字塔に着実に近づいている。