初心者でも簡単にできる!見るのも食べるのも楽しい「プチ・ガーデニング」

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今年は4月20日が、二十四節気の「穀雨(こくう)」。この頃の雨が植物の生長を助けることから名付けられたもので、農家ではこの日を目安に田畑の準備を始めるのだとか。

「生花店や園芸店では、植物の種や苗が多く並ぶ時期でもあります。手間をかけなくてもすくすく育ってくれる植物もありますよ」と歳時記に関する著書を出版している柳本あかねさん。

例えば、サトイモの1種であるヤツガシラ(写真)は、深鉢に種イモの半分まで浸かるくらい水を入れるだけで、根がどんどん張って、葉っぱが次から次へと出てくるそう。こちらは4月末〜5月頭頃に観賞用として種イモから少し芽が出た状態で花屋やホームセンターなどの店頭に並ぶ。

「日の当たる窓際に置いておくだけで、水は少なくなってきたらあげる程度で十分です。また、水がよどんでくると根腐れを起こす原因になるので、1週間に1度くらいは種イモを持ち上げて、イモと根、深鉢をきれいに洗ってください。そうすれば1か月以上は楽しめますよ。インテリアとしてもおしゃれだし、緑の葉は部屋にあるだけで癒されます」(同)

刻んでサラダに入れたり、おにぎりに巻いたり、薬味にも…香りづけしたいときにあると嬉しい大葉も、成長力がたくましく、育てやすいとか。種から育てれば芽が出てくる楽しさがありますが、初めて栽培する人には苗から育てるのがおすすめ。

「ポット入りの苗と培養土を買ってきて、一株ずつに分けて鉢に移し替えましょう。土が乾いたらお水をあげて、日向に置いておけばどんどん新しい葉が出てきます。家で栽培していれば使いたいときに少しだけ使うことができて便利ですよ」(同)

また、使い道に困るくらいたくさん育ったら、しそ茶にして楽しんで。作り方は、たっぷりの大葉をグラスに入れ、上からお湯を注ぐだけと簡単。

「熱いままでも冷蔵庫で冷やしても、さわやかな香りと清涼感で気持ちもすっきりします」(同)

自宅でオーガニックの野菜を育てる「エディブルガーデン」はLAでも流行中とか。おいしいプチ・ガーデニングを楽しみながら、春の雨に命の育みを感じて。

写真:白井由香里

柳本あかね
日本茶カフェ「茜や」、お茶とお酒「茜夜」店主。日本茶インストラクター。きき酒師。グラフィックデザイナー。二級建築士。著書に『いちばんおいしい日本茶のいれかた』(朝日新聞出版社)、『神楽坂「茜や」の小さな暮らし』(河出書房新社)、『「茜夜」のシンプルに暮らす、小さなキッチン』(河出書房新社)がある。最新著書に『「茜や」の小さく楽しむ おうち歳時記』(河出書房新社)。