本展の音声ガイドのナビゲーターは女優の中谷美紀。音声ガイドはこちらのエントランス前で借りることができる

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“奇想の絵師”というキャッチフレーズとともに、近年絶大な人気を誇る江戸時代の画家・伊藤若冲。その生誕300年という節目である今年は、日本各地の美術館・博物館でさまざまな関連イベントが予定されているが、なかでも過去最大規模ともいえる回顧展「生誕300年記念 若冲展」が、いよいよ4月22日(金)から東京都美術館にて開幕。それに先駆けて、21日(木)には報道内覧会が行われた。

【写真を見る】プライスコレクションのコーナーには、「枡目描き」という手法で描かれた大作《鳥獣花木図屏風》も

2000年に京都国立博物館で開催された「没後200年 若冲展」でその人気に火が付き、以降、「若冲」と名のつく展覧会が開催されるたびに、驚異的な観客動員数を記録してきた。

だが、今回の展覧会がその記録を塗り替えることになるのは必至。報道内覧会で登壇した本展監修・小林忠氏が「富士山頂の雪のような、(若冲作品の)いいところだけを集めた」と表現したように、展示される89点全てが主役級といっても過言ではない珠玉のラインナップが実現しているからだ。

展示は、40歳で画業に専念した若冲の初期の作品を紹介するコーナーからスタートする。まず目に飛び込んでくるのは、かつて金閣寺の大書院に飾られていた連作の襖絵《鹿苑寺大書院障壁画》。さらに、先ごろ83年ぶりに姿を現した《孔雀鳳凰図》、その隣には宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の《旭日鳳凰図》と、主役級の作品が次々と目に飛び込んでくるから、序盤からどんどん気持ちが高ぶってくる。

そして何といっても圧巻なのは、楕円形の1F展示室にズラリと並んだ《釈迦三尊像》3幅と《動植綵絵》30幅だ。若冲の代表作である連作《動植綵絵》は、自分と家族の永代供養を願い約10年の歳月を費やして描いたもの。完成の後には京都・相国寺に寄進され、法要の際には、中央に3幅の《釈迦三尊像》を、その両側に15幅ずつの《動植綵絵》が掛けられていたというが、本展ではその展示スタイルをそのままに再現。あらゆる動植物たちが、仏のもとで生き生きと命を輝かせる、若冲が思い描いた荘厳な世界を体で感じることができるのだ。鶏の羽のしなやかな動き、柔らかな花びらの一枚一枚にまで神経を研ぎ澄まし、緻密に、色鮮やかに描き出された一作一作に圧倒されるに違いない。

展示はまだまだ続く。50代以降の作品を紹介する2Fの展示室では、《仙人掌群鶏図襖絵》《象と鯨図屏風》などの大作に加え、《鳥獣花木図屏風》《紫陽花双鶏図》といったアメリカのコレクター、エツコ&ジョー・プライス氏が所有する作品を紹介するコーナーも。生誕300年というセレブレーション・イヤーを飾るべく、普段なかなか観ることができない作品の数々が海外からも集結しているのだから、最後の最後まで気を抜くことはできない。

さらに、美術展のお楽しみであるグッズコーナーには、《動植綵絵》をモチーフにしたトートバッグや京うちわ、《鳥獣花木図屏風》の白ゾウをモチーフにしたナノブロック、手ぬぐいといったオリジナル商品がズラリ。展覧会グッズとしては定番のポストカードや一筆箋、メモパッドといったアイテムもオシャレなデザインのものばかりで、お財布のヒモが緩んでしまうこと間違いなし!

本展の開催期間は5月24日(火)まで。約1カ月と期間が短いので混雑必至だが、今後語り継がれることになるであろう“世紀の展覧会”をぜひともお見逃しなく。【東京ウォーカー】