レオナルド・ディカプリオの超絶演技を見よ! 映画『レヴェナント:蘇えりし者』が教えてくれる、何があっても生きることを諦めないこと【最新シネマ批評】

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[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、レオナルド・ディカプリオがアカデミー主演男優賞を受賞した映画『レヴェナント:蘇えりし者』(2016年4月22日公開)です。レオが来日したのは3月末。やーっとスクリーンでレオの超絶演技が見られます!

では映画についてご紹介していきましょう。

【物語】

ヘンリー隊長(ドーナル・グリーソン)が率いるハンターの一団の中で、案内人を務めるのはヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)。彼は息子と行動を共にしています。先住民の襲撃を避けつつ、進んで行くハンターたちの中で、ヒューを快く思わないジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)は、グラスの指示に従うことに難色を示しています。

そんな中、グラスがクマに襲われ重傷を負い、隊長は、瀕死の彼に未来はないと判断。彼はジョンら数人のハンターに、グラスの臨終を看取るように命令します。しかし、グラスはなんとか生き延びようと必死。ジョンは「グラスは足手まといだ」と、殺そうとしますが、その様子をグラスの息子に見られてしまい……。

【極寒の中、クマに噛みつかれ、引きずり回されるレオ】

レオは来日記者会見で

「この映画は撮影をしているというより、旅をしているようだった」

と語っています。ロケ撮影が主で、それも雪深い森の中や川や、何だかもう地の果てみたいな場所ばかり。その中で、クマに噛みつかれ、森に放り出され、冷たい川の中に入り……という過酷な撮影を乗り切ったのですから。これはただの旅じゃありません、死の旅のようなものです。

でもそれもアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の狙い?とも思えます。グラスは実在の人物で、これは彼の実話に基づく小説を原作にした物語。ハンターたちの日々はまさに死の旅だったからです。この映画の撮影も、それを踏襲していたのかもしれません。

【完璧主義がもたらした傑作】

グラスたちはアメリカ西部で、先住民から居場所を奪い、動物たちを襲い、その毛皮を生活の糧にしています。彼らの物を奪っているわけですから、先住民に殺されそうになるのも無理はない。殺すか殺されるか、食べられるか食べるかくらいなレベルです。実に動物的に生きており、戦場にも近いかもしれません。

グラスたちが実際に体験したことと、同じレベルで、レオたち役者も役に挑んでいたのではないかなと想像できます。

イニャリトゥ監督は完璧主義でしょうから、徹底的に自分の描く世界観を押し通したでしょう。一切妥協せず、レオナルド・ディカプリオをヒュー・グラスにしたのです。そしてレオも、演技に関しては完璧主義。徹底的にグラスにのめりこんでいるのが見ているとヒシヒシと伝わります。
すべてのシーンが壮絶で、特に死んだ馬の内臓をかきだして、その体内に入って眠るシーンなど、芝居とはいえ、凄い映像を見せられて絶句ですよ!

【アカデミー賞撮影賞を3年連続受賞した撮影監督】

『レヴェナント:蘇えりし者』が素晴らしいのは、演出・撮影・役者の3パートのクオリティーの高さでしょう。そのひとつ、撮影監督のエマニュエル・ルベツキは、『ゼロ・グラビティ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』そして今作『レヴェナント:蘇えりし者』で、3年連続アカデミー賞撮影賞を受賞!

宇宙、大都会、大自然と、それぞれの作品での舞台は全く違うのに、毎回、斬新な切り口で見せていき、撮影方法についても話題になるルベツキ撮影監督ですが、今回はすべて自然光にこだわっての撮影。照明ナシってかなりの冒険ですよ。

しかも、イニャリトゥ監督作で、レオ主演となれば失敗は許されないし……。ベテランでもこのチャレンジ精神は素晴らしい。技術はもちろん、その志の高さが業界の尊敬を集めているのでしょう。

時代も生きる世界も違うとはいえ、現代だって生きることはサバイバルですからね。こんな壮絶な生を貫いた男がいた! ということを知るのは、これから厳しい時代を生き抜くメンタルを鍛えるのにいいかもしれません。

生きることを諦めない! ヒュー・グラスがレオを通して教えてくれますよ。

執筆=斎藤 香(c)Pouch

『レヴェナント:蘇えりし者』
(2016年4月22日より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー)
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラックほか
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