「第9惑星」の場所、特定される? カッシーニのデータから解析

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太陽系外縁に存在すると考えられている天体「プラネット・ナイン」のおおよその場所を特定したと、ハーヴァード・スミソニアン天体物理学センターの科学者らが主張している。

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米航空宇宙局(NASA)の探査機「カッシーニ」が収集したデータを分析している科学者たちが、「プラネット・ナイン」(第9惑星)が存在している可能性が高い領域を特定した

ハーヴァード・スミソニアン天体物理学センターのマシュー・J・ホルマンとマシュー・J・ペインは、土星調査中のカッシーニが地球の地上局に対する相対位置について記録したデータを解析した(PDFファイル)。さらに、そこで得られた数字を使用して、9番目の惑星が存在する可能性のあるいくつかの場所をモデル化した。

この調査で、プラネット・ナインが存在する場所として最も可能性の高いのは、鯨座の方に向かって20度の範囲内、牡羊座と魚座の近くであることがわかった。天球座標では赤経40度、赤緯マイナス15度が中心となる。

プラネット・ナインはカイパー・ベルトのどこかに存在すると考えられている。カイパー・ベルトとは、海王星軌道より外側、準惑星である冥王星のはるか向こうまで広がる、小惑星と準惑星からなる円盤状の領域だ。

太陽系外縁に惑星Xが存在するという仮説を科学者たちが立てたのは18世紀で、この仮説が、天王星、海王星、冥王星の発見につながった。2014年になって、天文学者のチャド・トルヒージョらが、カイパー・ベルトに異常な軌道の動きがあることに気づき、これが、冥王星の向こうに大型の惑星がある重大な証拠と見なされるようになった。

プラネット・ナインの存在を示す証拠は、2016年に入ってから、カリフォルニア工科大学のマイケル・E・ブラウンとコンスタンティン・バティジン(Batygin)が発表した論文提示された(日本語版記事)。ちなみに、冥王星が2006年に準惑星に格下げになったのは、ブラウン氏による準惑星エリスの発見(2005年)によるところが大きい。

なお、今回の調査結果が出る前の2016年3月には、フランスにあるコートダジュール天文台のアグネス・フィエンガ率いる調査チームが研究成果(PDFファイル)を発表している。これによると、カッシーニが2020年まで機能すれば、そこから送信される長期の位置データを利用して、プラネット・ナインが存在する可能性の高い場所を特定できるかもしれないという。

ただしNASAは、「カッシーニのミッションは2017年末に終了する予定だ。そのころにはさらなるミッションを継続する燃料は残っておらず、土星の大気に突入することになる」と述べている