体を動かせば気晴らしになり、ストレスも減らせる(写真はイメージ)

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被災して避難生活を送る人は、時間の経過とともに不便な生活や将来の不安からストレスが増大する。2016年4月14日の発生から1週間が過ぎた熊本地震の被災者も、深刻な問題を抱えている。

特に避難所では、見慣れない人との共同生活で「迷惑をかけないように」と気苦労が絶えず、イライラしてうっぷんがたまりがち。少しでも快適に暮らせる方法を紹介する。

深呼吸に軽めの運動、自分の気持ちを話すのも効果的

熊本地震では4月22日現在も余震が続いており、被災者の心身の消耗が増している。避難所となっている学校の体育館へ身を寄せた人たちは多いが、狭いスペースしか確保できないうえ仕切りがないためプライバシーが守れない。周囲の雑音が耳に入り思うように眠れず、疲労が蓄積していく。こうした生活を嫌い車中泊を選ぶ被災者が多いが、体を伸ばして休めないため血流が悪くなり、「エコノミークラス症候群」となるケースが出ている。

厳しい避難所生活だが、個人の工夫で状況を改善したい。まずは睡眠時間の確保だ。少しでも安眠するために、耳栓やアイマスクを活用する。生活のリズムを整えるため、決まった時間に寝るようにしたい。

日常生活を快適にするヒントは、東日本大震災での経験を踏まえて福島県が作成した「心のケアマニュアル」に書かれている。そのひとつが深呼吸。鼻からゆっくり息を吸い、全身に空気が行きわたるイメージで2、3秒待ち、ゆっくりと吐ききる。これを5回繰り返し、リラックスさせる。

会話を通じて自分の気持ちを伝え合うのも、効果がある。相手の話は傾聴しつつ、なるべく前向きな話題を見つけるのがポイントだ。自分が話したくない時は、「今はちょっと静かにしていたい」とはっきり断る。

体を休めることは重要だが、じっとしてばかりでは逆効果。伸びやストレッチをしたり、散歩に出かけたりと自分に合った軽い運動を心掛けたい。

医療専門メディア「メディカルトリビューン」が運営するウェブサイト「あなたの健康百科」は2016年4月20日付記事で、2004年の新潟県中越地震を機に考案された「さんあい体操」を紹介した。手をぶらぶらさせる、握ったり開いたりする、つま先を上げ下げする、肩を回す、といった簡単な動作を組み合わせた体操だ。椅子に座ったまま3分ほどでできる。こうした運動を、日常生活に取り入れたい。

子どもの「工作」が被災者にも役立つ

大人以上に避難生活がつらいのは、子どもたちだ。国際NGOの「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」はウェブサイト上で、「避難所でもできる遊び」を紹介している。空間や物が限られた避難所でも楽しめるものだ。

例えば、避難してきた人たちが使えるスリッパを新聞紙で折る、チラシやコピー用紙を利用して紙のお椀やコップをつくる、といったもの。サイト上には、そのつくりかたが図解されており、「『遊び』が、日常性を回復するために大きな役割を果たします」と説明があった。

2016年4月21日付の朝日新聞デジタルでは、熊本県益城町の避難所になっている小学校で、「グラウンドの鉄棒に干した洗濯物をネットにみたて、バドミントンをする子どもたち」が紹介された。厳しい生活環境のなかでも楽しみを見つけるのは、子どもの方が上手かもしれない。

ただ、避難所生活が長期化するにつれてどうしても気分が晴れず、精神的に不安定になる人が出てくるかもしれない。熊本地震の避難所にも、徐々に「心のケア」を行う医療チームが派遣され始めた。つらいときは迷わず、専門家に相談をしてほしい。