親に虐待されてきた人が不安に思うのは、「自分自身も同じことを子どもにするのではないか」ということ。そうした「連鎖」を断ち切るにはどうしたら良いのだろうか。

「親に虐待されて育ってきた人には、虐待された自分・トラウマを背負う自分を見つめる機会がなく、そのまま母親になってしまっている人が多いんですよ」と話すは、母娘関係改善カウンセラーの横山真香さん。

自分自身が親になった機会に、一度立ち止まり、自分の幼少期から振り返ってみると、見えてくることもあるという。

「客観的に振り返ると、『こんな暴力を受けてきた自分、こんな暴言を親に吐かれて育った自分って、実は強いんだ』と気づくはず。すると、自分自身の見方が変わり、『なんでこんなにグラグラして不安になっているんだろう』と、気持ちが楽に感じられることもあります」(横山さん 以下同)

大切なのは、育児書やマニュアルばかりに頼らないことだそう。虐待やDVを受けてきた人には勉強家も多いが、いろいろな意見や資料を読むことで、かえって足元がグラつくことも多いそう。

●過去のトラウマのフタを開けるタイミングも大切!

「お母さんの心理状態に入ってみるのも良いでしょう。後になって思えば、『あのときは経済的に苦しかったから』とか『お父さんと折り合いが悪かったんだ』とか『単にお母さんはああいう性格だったんだ』とわかることもあるのです」

ただし、振り返る際に気をつけたいのは、「自分が悪いから怒られたんだ」という思い込みを捨てること。また、第三者に入ってもらうこともオススメだ。

「兄弟姉妹など、母親をよくわかっている人と一緒に話してみると良いでしょう。また、いとこや親せきのおばさんなどと話すと、『実はお母さんはあの頃〜だったんだよ』などと教えてくれることもあります。夫が話を聞いてくれる人だったら、夫に話すのも良いですね」

ところで、過去のトラウマにフタをしているままではいけないの?

「フタをしたまま今の状態で良いのなら、無理に開ける必要はありません。でも、人生はいろいろなことが起こるもの。20代でフタしてきたことも、30代では開けたくなるかもしれませんし、子どもを持った今が、フタを開けるタイミングの場合もあります」

「自分が子どもを虐待してしまうんじゃないか」と不安な人は、過去のトラウマのフタを開けるタイミングなのかも。

恐れず、無理せず、ゆっくり振り返り、誰かに話を聞いてもらう機会を作ってみては?

(田幸和歌子+ノオト)