タイ政府はこのほど高速鉄道建設計画について中国からの借款を受けずに一部区間を自己資金で建設し、残りの区間は工事延期とすることを発表した。当計画で東南アジアへの進出をどうしても成功させたい中国にとっては大きな痛手となったと言えよう。(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)

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 タイ政府はこのほど高速鉄道建設計画について中国からの借款を受けずに一部区間を自己資金で建設し、残りの区間は工事延期とすることを発表した。当計画で東南アジアへの進出をどうしても成功させたい中国にとっては大きな痛手となったと言えよう。

 タイが中国からの借款を受けないと発表した背景について、中国では提案していた金利が高すぎたとの分析もあるなか、時代在線はこのほど、「中国高速鉄道はソフトパワーを向上させる必要がある」と題した記事を掲載し、中国高速鉄道が海外で発展していくうえでの課題を分析した。

 記事はまず、中国高速鉄道の「ハード面」での優位性を強調。技術や建設コストなどの面では決して新幹線に劣ってはいないと胸を張った。中国高速鉄道の技術が新幹線に劣っていないとすれば、なぜタイは急に心変わりしたのだろうか。

 その原因は中国の「ソフトパワー」と関係があると分析。中国は高速鉄道の輸出に本格的に取り組み始めてから2年程度しか時間が経過していないため、経験が圧倒的に足りないと指摘し、外国人との交渉や輸出先の法律、文化、ルールに従って物事をすすめる能力が劣っていると論じた。

 一方、日本はこれまで政府開発援助などを通じて、相手国の利益になる事業を数多く手掛けてきた経験がある。この経験という名のソフトパワーは「中国になくて日本にはある」ものであり、中国には日本のようなソフトパワーが不足していると分析。そのうえで、中国が今後、海外に高速鉄道を輸出していくためには日本のようなソフトパワーが必要だと強調した。

 中国は日本に比べてあまりにも利己的すぎると言える。アフリカなどでは中国が投資を行ってインフラ整備などが進められる一方で、現地に雇用をもたらさず、中国企業が中国人労働者を雇って工事を行う事例も多数報告されている。こうした態度を見れば、口先で何を言っても、結局は自国の利益しか考えていないと受け止められてしまうだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Ping Han/123RF.COM)