専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第51回

 ゴルフ雑誌を見ていると、異口同音に「ルールやマナーを守りましょう」と書いてありますけど、そんなに守らなければいけないことでしょうか?

 ゴルフを本業としている雑誌ですから、さすがに表現には限度があります。まさか「ルール無視」とか「マナー軽視」なんて書けませんよね。

 でも、ルールやマナーが厳し過ぎるから、ゴルフをやりたがらない人がいる、という現実もあります。

 そこで、どの程度ルールやマナーを守ればいいのか、その指針というか、目安みたいなものを考えたいと思います。これは、あくまでも個人的な意見ですから、賛同するもよし、反対してもらってもまったく問題ありません。ただ、頭にきたから炎上させる、なんてことだけはやめてくださいね。

 ルールやマナーを大きく分けると、"対外的なもの"と"内輪的なもの"に分けることができます。何を言っているのかわからないと思うので、具体的な例を挙げながら話を進めていきましょう。

 私は、ゴルフのプレーの中で何が何でも守らなければいけないのは、たったひとつだと思っています。それは、「グリーン上では芝生を傷つけないように、足をこすって歩かない」ということです。

 これは、最重要マナーです。グリーン上をすり足で歩かれては、芝がボコボコになって、そのあとにプレーする方々に多大な迷惑をかけることとなります。

 グリーン上は、それだけ繊細な場所です。あるメディアがどこかの名門コースで取材撮影をしたとき、タレントがグリーン上ではしゃいで芝生を痛めてしまったそうです。その際、取材者側がゴルフ場から修復代として30万円請求された、なんて都市伝説があるほどです。

 これは、まさに"対外的なもの"のいい例です。こうしたことは、外部の第三者に迷惑がかかりますので、ぜひ守っていただきたいですね。

 もうひとつ言うと、「バンカーから打ったあとは、レーキできちんと砂をならす」こと。これも他人の靴跡にボールが入ったりしたときは、ほんと腹が立ちますからね。

 では、「ティーショットでOBらしいときは、何度でも打ち直す」ことはどうなのか。これは、ルール的には正解かもしれませんが、前進4打ティーを使ってスムーズに進行すべきです。暫定球を打つにしても、せいぜい1球にしておきましょう。

 また、OBやロストボールの措置は、正式なルールでは最初に打った場所に戻って打ち直しとなります。しかし、そんなことをプライベートなラウンドでやっている人は皆無でしょう。これをやられたら、ますます進行の妨げになりますし、ほんと迷惑です。

 だから普通は、ボールが飛んでいった場所に来て「あちゃ、やっぱりOBだよ」となったら、「じゃあ、この辺から2ペナルティーを加えて打ちます」という処置が、プライベート&練習ラウンドでは適切だと思います。"内輪的な"ルールで対処して、"対外的な"マナーを守ったほうがいいでしょう。

 赤杭や1ペナ杭内に入った場合の処置とか、水たまり、つまりカジュアルウォーターの処置、さらには「2度打ち」や「バンカーからどうしてもボールが出ない」といった場合の処置なども同様です。

 同伴プレーヤーと相談して、"内輪的な"ルールを決めるなどして解決策を編み出してください。それはどんな取り決めだろうと、第三者に迷惑がかかることがないので、何ら問題ないと思います。

 ところで、マナーにおいて本来するべきですが、どうしてもおろそかになってしまうのが、フェアウェーなどから打ったあとに「目土(めつち)の砂をかける」ことです。

 これは、おおよそミスショットをしたあとだったりするので、頭がテンパっている人などもいて、そこまで気が回る精神的な余裕がない、ということもあるでしょう。

 それで、ふと思い出したのが、かつてあるコースでは、キャディーさんがラウンド後に目土をしていたことです。また、他のあるコースでは、シルバー人材派遣センターを通して時給で人を雇って、その方々に目土をしてもらっているとのこと。

 だったら、いっそのこと目土をしなくていいようにしてほしいですね。雨の日とか、他にも持ち物が多くて最悪ですから。料金が100円くらい高くなってもいいから「目土しなくて結構」というコースがあれば、ぜひ行きたいです。

 とまあ、好きに書かせていただきましたので、賛否両論あるのは確かでしょう。でも逆に、いい議論の場を提供できたのではないか、と思っています。

 結局のところ、ルール&マナーを解決する最善の手段は何か? それは、ゴルフのうまい人と一緒に行くことです。その場でいろいろと教わりながらプレーすれば、別に何ら知識がなくても、楽しく有意義なゴルフができるのです。

 昔は、みんなそうでした。職場や学校の先輩が連れて行ってくれて、そこで手取り足取り教わったものです。けれども今は、そうやってゴルフを教えて語り継ぐ文化が消滅してしまいました。

 今の若者は、ネットで予約して、お友達同士で和気あいあいとラウンドしています。だから、"対外的なこと"で周りに迷惑をかけていることに気づかないんですよね。

 アマチュアゴルファーのルール&マナーにおいては、第三者に迷惑をかけないこと。これが一番大事です。

 くれぐれも、グリーン上で素振りをしたり、ストレッチしたり、まして四股(しこ)を踏んだりしないでくださいね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa