翁啓恵氏

写真拡大

(台北 21日 中央社)士林地検は21日、インサイダー取引と背信の罪などの疑いがかけられている台湾の最高学術研究機関、中央研究院の翁啓恵院長について、容疑に関与した恐れがあるとして、出国制限措置とすることを決めた。同日未明から同地検で取り調べを受けていた翁氏は午前6時頃にマスコミの前に姿を見せたが、険しい表情を浮かべたまま一言も話さずその場を去った。

翁氏は創薬ベンチャー、台湾浩鼎生技(OBIファーマ)と親密な関係にあったとされ、同社が開発した乳がんのワクチンについて、有効性を強調する発言をしていた。だが、今年2月には臨床試験(治験)の結果で当初想定していた効果がなかったことが公表されると株価が下落。その直前に大株主だった同氏の娘が株の一部を売却していたのが分かり、インサイダー取引に関与していた疑いが持たれていた。

20日には中央研究院などで捜索が行われた。研究員からは「(同院に)傷を負わせた」と失望の声が上がる。翁氏は先月末、馬英九総統に対して辞意を表明していたが、馬総統は認めなかった。一方で、国民党の曽銘宗立法委員(国会議員)は21日、立法院(国会)で報道陣の取材に応じ「辞任すべきだ」との考えを示した。

(陳至中、游凱翔、王承中/編集:齊藤啓介)