災害後「子どもが受ける心身のストレス」とPTSDの対処法

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熊本地震から数日が経過し、今もまだ余震に不安を抱える生活をしている方がたくさんいます。

家にいることが危険で避難所生活を送っていたり、車中泊をしたりと、安心して生活できる環境がそこにはありません。

そのような災害に遭ったときに、ストレスを抱えるのは大人ばかりではありません。大切な成長過程にある子どもがそういったストレスを抱えると、心身にどのような影響が出るのでしょうか?

今回は文部科学省が発表している『子どもの心のケアのために』をもとに、災害等の危機発生時における“子どもの健康観察の留意点”をお伝えします。

 

■1:普段と違う子どもの様子に注意が必要

子どもは大人と違って、自分の気持ちを理解していなかったり、理解していてもそれを言葉にして表現することが十分にできないことがあります。その分、行動や態度、頭痛など体の不調として変化が現れることが多いのです。

災害後に「何かいつもと違うな……」と感じた場合には、まずは子どものストレスを疑いましょう。そして、その変化に気付くためには、普段の子どもの様子をしっかり観察しておくことが重要になります。

 

■2:体に表れるストレス症状とは

子どもがストレスを感じたときには、以下のような症状が体に表れるといいますのでチェックして下さい。

(1)食欲の異常(拒食・過食)はないか

(2)睡眠はとれているか

(3)吐き気・嘔吐が続いていないか

(4)下痢・便秘が続いてないか

(5)頭痛が持続していないか

(6)尿の回数が異常に増えていないか

(7)体がだるくないか

災害によって学校に行けなかったり、安眠できなかったり、普段と違う生活に敏感になる子どもは大勢います。

十分に休息がとれないせいで風邪をひいたのかもしれない……と思うような症状もありますが、実はストレスからくる体の不調かもしれません。

 

■3:心に表れるストレス症状とは

ストレスは体ではなく、心に作用することもあります。下記項目も症状があらわれていないかチェックしましょう。

(1)心理的退行現象(幼児返り)が現れていないか

(2)落ち着きのなさ(多弁・多動)はないか

(3)イライラ・ビクビクしていないか

(4)攻撃的・乱暴になっていないか

(5)元気がなく、ぼんやりしていないか

(6)孤立や閉じこもりはないか

(7)無表情になっていないか

(1)は、よく下の子が生まれた際に“赤ちゃん返り”をするという現象がありますが、それと同じ現象です。赤ちゃん返りも、弟・妹が生まれたことによる心理的ストレスによって起こるものです。

災害後にこのような症状が現れた場合、親も不安な状況下ですから、見過ごしたり、逆に子どもの行動が親のイライラを増幅させたりしてしまいそうです。

しかし親は、自分の精神状態が正常でないことを自分で理解し、それ以上に子どもは不安定であることを認識することが必要です。

 

■4:ストレス症状が表れたら

災害後におけるストレス症状のある子どもへの対応は、基本的には通常と変わらず接するということで大丈夫です。その際、安心感を与えるためにも優しく穏やかに声掛けをすることを心がけてください。

また、ストレス症状を自覚している子どもには、ストレス症状が現れることが普通であること、また、症状は和らいでいくことを伝え、一人で悩まず信頼できる人とコミュニケーションをとるように勧めましょう。

 

■5:ストレス症状が続く場合

ストレス症状が続く場合には、外傷後ストレス障害(PTSD)を疑いましょう。

自然災害などによるPTSDの症状は、被災後まもなく急性ストレス障害(ASD)の症状を呈し、それが慢性化してPTSDに移行する場合や、最初は症状が目立たなかったのに被災後2〜3か月を経過してから発症する場合があります。そのため、被災後は長期にわたって子どもの様子を見守る必要があります。

ASDやPTSDにみられる症状には、以下のようなものがあります。

(1)体験した出来事を繰り返し思い出し、悪夢を見たりする

(2)体験した出来事が目の前で起きているかのような生々しい感覚がよみがえる〈フラッシュバック〉

(3)体験した出来事と関係するような話題などを避けようとする

(4)体験した出来事を思い出せないなど記憶や意識が障害される(ボーッとするなど)

(5)人や物事への関心が薄らぎ、周囲と疎遠になる

(6)よく眠れない、イライラする、怒りっぽくなる、落ち着かない

(7)物事に集中できない、極端な警戒心を持つ、ささいなことや小さな音で驚く

ASDやPTSDの場合には専門医との連携が不可欠です。

症状を観察する中で、ASDやPTSDの症状がみられる場合には、児童精神科医などの専門医を受診しましょう。

 

以上、災害等の危機発生時における“子どもの健康観察の留意点”についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか? 災害がいつ降りかかってくるかわかりません。そうであるからこそ、日常の子どもの様子を見ておくことが重要です。

成長して手がかからなくなってきても、一番身近にいるのはやはり“親”なのです。親が子どもにとって安心できる場所でいられるよう、いつも見守っていてあげてくださいね。

(ライター 沖田かへ)

 

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【参考】

※ 子どもの心のケアのために ―災害や事件・事故発生時を中心に― - 文部科学省

 

【画像】

※ altanaka / Shutterstock