ジャガーXFがフルモデルチェンジを受けました。

ボディの大きさはそのままに、スポーティなイメージも引き継ぎながら、しかし従来よりすこしばかりフォーマルなクルマとなっての登場です。ほぼ10年ぶりに刷新されたニューXFは、弟分「XE」の誕生を受け、さりげなく上級移行を狙った2代目なのです。

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価格は598万円から……と聞くと「ちょっぴり高くなったけれど、先代と同じ価格帯に収まった」と思うかもしれません。旧型末期は589万円〜だったから。

ベースとなる2リッター直4ターボ(240ps、340Nm)モデルは、その通りなのですが、スーパーチャージャーで過給される3リッターV6ターボ搭載モデル(340ps、450Nm)は969万円からと、ググッとお高くなっています(旧型末期は792万円)。

価格差が広がったグレード間を埋めるのが、注目のディーゼルモデル(635万円から)というわけです。

「INGENIUM(インジニウム)」と名づけられた2リッター直4ディーゼルターボ(180ps、430Nm)は、AdBlue(アドブルー)システムを備えた新世代エンジン。排気に尿素水を噴き付け、有害な窒素酸化物(NOx)を、最終的に無害な窒素に還元することができます。

新型XFは、2リッター直4ターボ、同ディーゼルターボ、3リッターV6スーパーチャージド、そのハイチューン版(1105万円/380ps、450Nm)に大別されます。

ボディの75%にアルミニウムを使った新しいジャガーXFは、いわばXEを引き延ばしたモデルといえます。同車より125mm長い2960mmのホイールベースに、285mm長い4965mmのボディを載せ、全幅は+30mmの1880mm、全高は40mm高い1455mmとなります。

両者は外観もよく似ています。ヘッドランプの内側が下広がりか(XF)、上広がりか(XE)、リアコンビライト内のグラフィックが曲線か(XF)、直線か(XE)、といった細かい違いもありますが、XFの方が面積の広いフロントグリルを備え、6ライト(リアドアの後ろにも窓がある)のウィンドグラフィックを持っています。

どちらもスポーティでスタイリッシュですが、XFの方が、ちょっと“よそいき”な雰囲気ですね。

先代XFはまだ下位モデルがなかったので、BMW5シリーズやメルセデス・ベンツEクラスはもとより、場合によっては、3シリーズ、Cクラスといったパーソナルなドライバーズカーユーザーまでカバーしなければなりませんでした。

今回は、新たにXEがジャガーラインナップのボトムレンジに加わったので、XFはこれまでとは逆に、カンパニーカーを与えられるようなエグゼクティブ層に秋風を送れるようになったのです。

ニューXFのディメンションにもそれは表れていて、ボディサイズは旧型(全長×全幅×全高=4975×1875×1460mm)とほとんど変わりませんが、ホイールベースを50mm長く取って、後席スペースを拡大しています。

新型XFは、「XJ」「XF」「XE」の間で共通したイメージを保ち、スポーティさを失わず、それでいてより裕福なお客さまを取り込むという、難しい課題をクリアしなければなりませんでした。

“THE ART OF PERFORMANCE”を謳うジャガーのニューモデル。果たしてジャーマンプレミアムの牙城というべき、高級セダン市場を切り崩すことができるでしょうか!?

(文と写真:ダン・アオキ/Office Henschel)

ちょっと“よそいき”な雰囲気。ジャガーXFがフルモデルチェンジ(http://clicccar.com/2016/04/20/367433/)