NHKの公式Twitterアカウントが「フォローを順次解除する」と発表。NHK(@nhk)、NHK広報局(@NHK_PR)やNHKニュース(@nhk_news)などなど、すべての公式アカウントにおいて、4月末を目処にフォローを解除するという。

◎Twitterといえば"フォロー返し"だったが……
TwitterといえばSNSの奔りで、匿名同士の相手と相互にフォローし合ったり、緩い交流ができたりすることが魅力のSNSだ。知らない人をフォローしたり、フォローされればフォローを返したり。リアルには知らない人と「おはよう」や「行ってきます」、「おやすみ」など、挨拶を交わす。

2009年11月に始まった@NHK_PRのアカウントも、そんなTwitterの流れを汲んで(?)、フォロー返しやフォロワーとの緩い交流が話題だった。NHKというお堅い組織の公式がそれでいいのかなどと物議を醸したこともある。その様子は書籍にもなっている(『中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?』新潮社刊)。

それが、ここに来て「フォロー解除」が選択された。「NHKのインターネットガイドラインに定めた公平公正という公共放送の基本姿勢を堅持するため」という理由。

NHKの場合、公平という立場を保つために必要な措置ということで、一般化してそれがどうのと言える話ではないが、一抹の寂しさが感じられて仕方がない。

◎Twitterの使い方は変わっていく?
Twitterはコミュニケーションツールの印象が強い。
もともとTwitterは「1対1」や「1対多」、さまざまな形態で相互にやり取りできるように作られている。相手が非公開設定でなければ、フォローするのも自由にできるし、ブロックされていなければ、「いいね」できるし、リツイートもできる。リプライも自由に飛ばせる。

つまり、ひとりごとのつもりで投稿したツイートでも、ちょっとしたキッカケでリツートされ、爆発的な拡散は起こる可能性があるという仕組みなのだ。

ユーザーが増え、そうした拡散効果がわかってくると、口コミを起こすツールとして徐々に注目されるようになり、企業やブランドがマーケティングやPRのためのツールとして使うようになった。Twitter側も認証済みアカウント(=本人であると確認したアカウント、いわゆる公式アカウント)を導入するなど、動きを後押しした。NHK広報などの公式アカウントが現れたのもその時期。

企業の公式アカウントが個人アカウントとリプライを交わしたり、これまでの企業と個人の関係ではあり得なかったコミュニケーションがそこでは発生していて、非常に興味深かったのを覚えている。

もちろん、いまはまだそういうムードが残っている。
ただ、今回のNHKの動きに、ほか企業の公式アカウントが追随してしまうとしたら、それはちょっと残念なことだと思う。

最初は、ユーザーが思い思いに独り言を投稿するという場がメインだったのに、その拡散効果からPRの場に変わる。それでも、そこに個々との交流の余地があればいいが、そのアカウントからは相互フォローをしませんよとされると、こちらは、ただのメルマガ購読のような状態になってしまう。

古き良きTwitterの世界であれ、とまでは言わない。
ツールの使われ方が変わっていくのは当然だし、どう使おうと自由。しかし、一部にPRの場であってもいいが、相互に交流するという面だけはなくして欲しくないと、いちTwitterユーザーとして思う。


大内孝子