自動運転機能が、衝突事故を回避した瞬間の動画

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高速道路をオートパイロット・モードで走行していたテスラモーターズ「Model S」が衝突事故を防いだという動画が話題になっている。こうした機能が普及すると、危険な状況自体が発生しにくくなり、事故が減少すると予測されている。

冒頭の動画は、ジョシュア・ブラウンが所有するテスラモーターズの電気自動車「Model S」の車載カメラが撮影したもので、幹線道路(高速道路)を走行しているところから始まる。

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「テシー(Tessy)」という愛称が付けられたこのModel Sは、「オートパイロット」モードで走行中だ。ブラウン氏はハンドルに手を置きながら、人気コラムニスト、マルコム・グラッドウェルのオーディオブックを聴いている。そこへ突然、ブームリフトが搭載された大型トラックが、(高速道路を出る出口に急いで向かおうとして)、複数車線を横切ってテシーのほうに割り込んできた。

ブラウン氏は動画のディスクリプションに次のように書いている。「そっちをよく見ていなかった。テシーが『すぐに運転を引き継いで下さい』という意味の警告チャイムを鳴らしながら、右に進路を逸れて横からの衝突を避けたときに、初めて危険に気づいた」

ブラウン氏とテシーは、無傷で切り抜けた。テスラのオートパイロット機能によってクルマが巧みに右側に避けたおかげでブラウン氏の命は救われた、奇跡と言ってもいい、と米メディア『The Drive』は称賛している

テスラのオートパイロット機能は、半年前に公道で利用できるようになった(日本語版記事)。この機能では、レーダーと車載カメラ、超音波センサーを利用して、遠近さまざまな所にある道路標識や障害物を読み取り、ほかの車にぶつからずに車線を走り続けることができる。ただし、交通信号は認識できないので、幹線道路の走行といった単純な状況でしか使えない。もっと複雑な状況では人が運転する必要がある。

自動運転技術に関して言えば、テスラのオートパイロット・モードは、ごく基本的な技術だ。だが、米国では幹線道路での死者数が毎年3万3,000人にのぼっており、この数字を大幅に減らせる可能性がある。それは、クルマがトラブルをうまく避けて車線変更できるからということだけではない。こういった機能を搭載しているクルマが増えていくと、危険運転が発生する可能性自体が少なくなるからだ。

調査会社Ark Investは2015年、1960年代〜1980年代の航空産業におけるオートメーション技術の導入について調べた結果から、自律走行車の時代には交通事故死が減ると予測している

Ark Invest社によれば、自動運転車が普及すると、21世紀の航空業界のような状態になる。つまり、事故が完全になくなるわけではないが、「飲酒や居眠り、携帯メール使用といった不注意な運転者によって激突される可能性は、ゼロ近くにまで減少すると見られる」という。

つまり、ブラウン氏が危機一髪のところで助かった今回の件で本当に重要なのは、クルマが危険な状況から同氏を救ったことではない。そうした危険な状況自体が、近い将来には起こりにくくなるというのがポイントなのだ。

テスラ以外にも、メルセデス・ベンツゼネラルモーターズ(GM)、アウディなどが、幹線道路での自動運転機能を数年以内に提供したいと考えている。

※ テスラは2016年1月、クルマが自ら駐車スペースに出入りできる機能「Summon」も提供開始した(日本語版記事、以下の動画)。

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