話題の忘れ物&ペットの迷子防止ガジェット「Wistiki」創業者が語る、フランスのベンチャー事情
 フランス発のとあるガジェットが話題を読んでいる。日米仏の3か国で行ったクラウドファンディングでは、すでに日本だけで2330万円を達成したという。

 果たしてどんなガジェットなのか……というと、家の鍵や財布などついうっかりどこに置いたか忘れてしまいがちなものを見つける手助けをしてくれる高機能Bluetoothトラッカーである。

 デザインはなんと、浅草のアサヒビール社屋屋上にある黄金のオブジェをデザインしたことでも知られるフィリップ・スタルク氏によるもの。

 このいかにもフランスといったオシャレ感溢れるガジェットはいかに開発されたのか?
 開発メーカーであり、フランスのスタートアップである「Wistiki」(ウィスティキ)創業者、リュサト3兄弟の三男であるユーゴ氏に話を聞いてみた。

◆飼い猫探しがきっかけで開発が始まった

 「ブルートゥース(Bluetooth Low Energy=BLE)を使って持ち物の場所を特定するというアイディアは、僕ら兄弟が飼い猫の居場所を探し回るのにうんざりしていたというところから生まれたんだ。でも機能だけではなかなか興味を持ってもらえないだろう? だから、IoT(モノのインターネット)に特に興味のない人にも関心を持ってもらえるようにデザインに配慮したのが、うちが作ったBluetoothトラッカー、『Wistiki by Starck(ウィスティキ・バイ・スタルク)』なんだ。

 スタルクは椅子・眼鏡・歯ブラシ・建物・ヨット・モデムなどありとあらゆるもののデザインを手掛けているだろう。彼ならば美しさだけでなく、それぞれの持ち物に付けるのに最適な形を追求できると思ったのさ。デザインこだわりとしては、電子回路の先端が透けて見えるんだけど、ここは結構技術的にも大変だったね」

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 なくし物を探せるガジェットとしては、GPSトラッカーなどがある。しかし、海外製のそれらの製品は日本だと電波法などに引っかかり個人輸入しただけでは使えないということもあったが、そのへんも考慮しているという。

「WistikiにはGPSは内蔵されていないんだ。仕組みを簡単に言うと、WistikiとBLEでつながっているスマートフォンやタブレットのGPS情報をWistikiの位置情報に置き換えているってことになる。だから、Wistiki by Starckは世界中で同じ機能が使えるんだよ」

◆「クラウドファンディング」はDNAに組み込まれている

 Wistikiの初期モデルは、フランスのクラウドファンディングで成功し、実現した。そうした経緯があって、日本発売でもクラウドファンディングで資金調達に臨んだ。

「もう、クラウドファンディングはWistikiのDNAの中に組み込まれているといっても過言ではないね。あと、クラウドファンディングには大きなメリットがあるんだ。クラウドファンディングを実施することによって、実際に一般販売する前に将来のユーザーの意見を聞くことができるという点だ。ユーザーの意見を聞くことでより良い製品に近づくことができるからね。あと、クラウドファンディングでは、支援してくれたみんながコメントを投稿できるだろう。そういうコメントは、開発への大きなモチベーションにもなるんだよ」

 本国フランスとアメリカはさておき、アジア圏の足がかりとして「日本」が選ばれた理由は、彼ら三兄弟の「夢」があったという。

「日本で認められる製品を作るということが、創業者である僕ら兄弟の幼いころからの夢だったんだ。日本のユーザーは、性能やデザイン、費用対効果などの評価に厳しい、目の肥えたユーザーが多いと聞く。そんなユーザーに受け入れてもらえるような製品を作りたかったんだよ。もちろん、今後は韓国や中国にも市場を広げていく計画はすでにあるけれど、まずは日本で成功することが、その後の成功にもつながると考えているよ」