左上から、ジョウボーン「UP3(TM)」、ソニー「Smart B-Trainer(TM)」、MISFIT「Misfit Shine」、テルモ「メディウォーク」

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「健康をつくるデザイン」とは何か。医療従事者や研究者、デザイナー、企業がそれぞれの取り組みを紹介し、ディスカッションするトークイベント「Aging Style x GOOD DESIGNトーク」が2016年3月30日に東京・丸の内で開催された。

楽しくスタイリッシュなモノは飽きない?

イベントでは、グッドデザイン賞を受賞した商品の中から、リストバンド型やイヤホン型のウェアラブルな活動量計など、健康に関する4商品が紹介され、各メーカーがその特徴や開発背景を解説した。

2015年に受賞したソニーの「Smart B-Trainer(スマート・ビー・トレーナー)TM」は、ランニングやウォーキングをする人をターゲットにしたヘッドホン型のデバイスだ。心拍や加速度、GPSなどのセンサーを内蔵し、音楽を聞きながらランニングログの計測と記録ができるほか、専用のスマートフォンアプリと連動させることで、プロのマラソントレーナー監修のトレーニングプランに沿った音声ナビゲーションも受けられる。

実際に、音楽を聴きながら走ると、心拍のテンポに合った速さでリズムが自動的にテンポアップするという、エンターテインメントの会社ならではの運動を楽しくする工夫もあった。

米・サンフランシスコに本社があるジョウボーンが開発したリストバンド型の活動量計「UP(アップ)TM」は2013年の受賞作品。24時間、人の活動を見守っていてくれる「ライフレコーダー」で、アプリと連動することで活動量、食事、睡眠を手軽に管理。毎日の健康状態を「見える化」できる。日常的に着けていたくなるスタイリッシュな見た目にもこだわりがあり、世界的に有名なインダストリアルデザイナーのイヴ・ベアール氏がデザインした。現在は生産終了しており、バージョンアップした「UP2(TM)」や「UP3(TM)」がラインアップ。カラーバリエーションも豊富にそろっている。

同じく2013年に受賞した「Misfit Shine(ミスフィット・シャイン)」は、アップルの元CEOであるジョン・スカリー氏らが設立したMISFIT社の商品。

活動量計としては後発だが、開発時にAmazonで他社の活動量計の商品レビューをすべて読み、ユーザーが使い続けられない問題点を洗い出し、それをクリアするような商品を開発したという。ユーザーのモチベーションにつながるスタイリッシュなデザイン、6か月間充電なしでも動く電池式、50メートル防水という、3点を備えているのが特徴だ。

「飽き」と「慣れ」もデザインによって変わる

一方、分かりやすさを重視したデザインもある。2013年に受賞したテルモの歩行強度計「メディウォーク」 は、トークイベントに登場した東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利氏も開発に関わった商品。

健康効果の高い「中強度」の速さで歩くとLEDが光り、1日の目標である「中強度で20分、1日8000歩」を達成すると、「バンザイ」して喜ぶイメージがドット表示される。機能もデザインもいたってシンプル。文字が大きくみやすいこと、操作が簡単で分かりやすいことが、高齢者に喜ばれ、支持を得ているという。

4社4様のデザインを前に、プロダクトデザイナーで芝浦工業大学デザイン工学部教授の橋田規子氏は、使い続けてもらえる、健康をつくるデザインとして大切なのは、「人に飽きさせないこと」だと語った。製品の意匠ももちろんだが、橋田氏が重視するのは、ユーザーインターフェイス。ユーザーが達成感を得られるような、「盛り上がり」の見せ方が大切だという。

「情報が過剰表示だったり、文字や数字が小さくて見にくかったりすると飽きられやすいことがわかっています。年齢が上がってくると、『飽き』を解消するよりも『慣れる』ことの大切さも出てきますね」と健康づくりのモチベーションとしてデザインも大きく関わっていることを述べた。

(Aging Style)