こんにちは、編集者/ライターの池田園子です。ライターとして食べていくためのリアルについて語る本連載、第6回目では「“ライター”から“編集者/ライター”に仕事を広げるまでの流れ」についてお話しします。

名刺に「編集者」と加えたとき

いま、私は「編集者/ライター」と名乗っています。2012年2月に専業ライターとなったときは、もちろん「ライター」です。それから3年ほど、名刺には「ライター」と記載していました。実際に当時の仕事は、ライターとしての取材・執筆がメイン。肩書に「編集者」を付け加えるようになったのは、2015年3月頃だったと記憶しています。
某社でWebメディアが立ちあがるのを機に、ライターとして招集された私でしたが、「編集者が足りない」というシンプルな理由で、ライターとしての仕事と同時に、編集者の仕事もまかされることになったのです。
とはいえ、ライターの仕事のほうがボリュームが多かったため、当時は「ライター/編集者」と名乗っていました。

「編集してもらった経験」を思い出す

編集業務は未経験。それでも、なんとかアウトプットを出せたのは、過去に編集者とやりとりしてきた膨大な原稿の蓄積があったからだと思います。編集者は一歩も二歩も引いた客観的な視点で、原稿を見ています。内容がおもしろいか、わかりにくいところはないか、“引き”の要素はあるか、この表記はマズいのでは……など。
ときには構成を大胆に入れ替えられることもありました(後半に入れていた文章をまるっと前半に移動する、といった形)。タイトルや見出しが原型(私が書いたもの)をとどめていない形に仕上がったこともあります。かずかずの朱入れやコメントなど、より良い形に直された経験を思い出しながら、編集をやってきました。
自分よりはるかに経験豊富な編集者の意見や見方、ものの考え方を、原稿をやりとりするなかで吸収し、記事になった状態を見て受けとめる――反発しないその姿勢が効果的に働いたのだと信じています。

編集した記事の告知は忘れない

SNSでは執筆した記事と同様、編集に関わった記事を告知していました。「編集協力しました」「編集をお手伝いしました」と言葉を添え、加えて「編集の仕事が楽しい」「編集の仕事を増やしたい」とアピールしておくのも忘れません。主張するのはタダ。ふれまわっておけば、見てくれている人はかならず一人以上はいます。
そのアピールが功を奏したのか、取引額が大きいある会社で、編集業務を行う人が足りなくなったのを機に、企画・編集の案件を一つ、まかされることになったのです。
その時点でライターと編集の仕事の割合が6:4くらいになり、やがて編集業務の割合がライター業務のそれを上まわったタイミングで「編集者/ライター」と名刺に記載するようになりました。

成功・失敗ノウハウを蓄積し次回に活かす

最初は一案件でもいい。まずは編集の実績を積むことです。そうして、編集に携わった記事がたまっていくのと同時に、ノウハウもたまっていきます。
「タイトルにどのワードを入れたら、たくさん読まれる記事になるのか」「読者を引き付ける見出しはなにか」「このWebメディアではどのテーマ、トピックがアツいのか」など、(単純な指標としてわかりやすい「PVが高かった」という意味で)成功した記事、うまくいかなかった記事を見直し、成功要因や失敗要因を記録し、次回に活かす。
ほかのメディアでよく読まれている記事やニュースアプリに転載されたいわゆる人気記事の傾向も、できる限り分析します。そうやって、当たる記事をつくれるようになったとき、さらなる編集業務が舞い込んでくるはずです。

次回は「ライターと編集者を行き来して、双方に良い影響をもたらす方法」についてお伝えします。