中国メディア・紅網は19日、「日本の地震を喜ぶことは、一種の恥辱である」とする評論記事を掲載した。熊本・大分の大地震に対する中国ネットの反応が、ほぼ同じタイミングで発生した南米・エクアドルでの大地震に対する態度との差が、問題提起のきっかけとなったようだ。

 記事は、2つの国で発生した地震に対する中国ネットユーザーのコメントが「大きく異なっていた」とし、日本の地震に対する議論の多くはその発生を喜ぶもので、これに反論するユーザーがいようものならたちまち「恥を忘れやがって」といったような強烈な攻撃が浴びせかけられると紹介した。また、ある教授が立ち上がって「日本の地震を喜ぶべきでない」とコメントしたことに対しても、多くのネットユーザーが痛烈な罵声を浴びせたと説明した。

 記事はそのうえで、「歴史を忘れないということは、徹底的に恨むこととイコールではない」と指摘。いつの時代でも人民は「政府がタクトを振った方向に、罪もなく巻き込まれるもの」とし、「当時の残忍な日本でも、多くの善良な人がいたのだ」と主張した。

 さらに、「恥辱の歴史を忘れるな」というのは、技術や文明の進歩で相手を追い抜くための動力であり、「恨みを持つばかりで、自分は努力をしなくてよい、ということではない」と論じている。そして最後に、日本だろうがエクアドルだろうが「国民には罪がなく、罵りを受けるべきものではない。政府を罵るのはいいが、政府と国民を一緒くたにしてはいけない」とし、他国民の不幸を笑う者は「不幸な人よりもなお哀れで悲しい」のだと断じた。

 記事はこのほか、「両国の地震による犠牲者の数を比較することで、日本が防震において多くの国よりはるかに強く、この点も多くの国が学ぶべき点であることに容易に気づく」ともしている。

 地震発生以後、中国メディアにおいてネットユーザーによる心無い発言を非難する言論が目立つ。中国政府はここ1、2年ほど、「歴史の正視と謝罪」を日本側に求める姿勢を崩さない一方で、国内向けに「日本政府や一部右翼勢力と、一般の日本国民は切り離して考えよ」といった「理性的な愛国」メッセージを発し続けている。今回の「地震を喜ぶ」ことへの非難も、中国政府の姿勢を反映したものと言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)