これ、知ってた? 「リカちゃん人形」と「バービー人形」の意外な共通点

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日本の少女の心をキャッチし続けているドールと言えば、そうご存じ「リカちゃん人形」。可愛らしいキャラクターで、様々なタイプのものが発売されています。

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その人気は日本だけにとどまらず、最近ではアメリカの女性人気シンガー、アリアナ・グランデのシングル「フォーカス」のミュージック・ビデオでコラボも果たしています。

また、その双璧とも言えるのが、スーパーモデル並みの体形でセクシーな衣装を着こなすバービー人形。どちらの人形が好きなのか、子どもたちのなかで派閥ができるほどの人気っぷりです。

そんなリカちゃん人形とバービー人形には共通点があるのをご存じですか?

実はどちらも「算数が苦手」だった過去がある点と、書籍『女の子は本当にピンクが好きなのか』で紹介されています。

リカちゃんの現在のプロフィールからは消えていますが、1967年にタカラ(現タカラトミー)から発売された時は「算数はニガ手だけど、国語、音楽、美術は得意」とされており、最近でも「まあ♡メルシー!絵日記は算数の宿題よりずっと楽しいわ♪」とツイートされています。

一方のバービー人形も1990年代に「数学の授業は難しいな」と話すタイプの人形を発売。どうやら数学が苦手だった様子です。ただ、この人形は女性団体から負の影響があると批判を受けてしまいました。

負の影響とは、「性別ステレオタイプを助長する」とのこと。女子の「算数が苦手」というイメージを助長すると指摘されたのです。日本人の我々としては、この批判に対して「そんな大げさな」と驚くことかもしれません。皆さんは、どう思いますか?

同書では、この「算数」と「女子」の関係について様々な調査結果を紹介しています。その一部を見ていきましょう。

2012年に世界65カ国・地域の15歳(義務教育終了段階)を対象にOECDが調査したところ、数学的リテラシーと科学的リテラシーは全般的に男子の方が高い傾向にあるそう。日本もその流れにあって、数学・科学の両リテラシーで男女差が大きな国でした。

ただ、アメリカでは科学的リテラシーは女子の方が高く、スウェーデンに関しては両方とも女子の方が高いなど、例外はあります。

日本には数学が苦手な女子が多いというイメージは、こういった調査の結果も影響しているのかもしれません。ただ、日本の女子は本当に数学が苦手なのでしょうか。最近では、理系に進む女子学生「リケジョ」が注目されています。

そこで、東京農工大学の守一雄教授らは、数学が嫌いと答える女子は本当に数学が嫌いなのかと、「ニセ数学嫌い」をあぶり出す調査(FUMIEテスト)を中学生対象に実施。その結果から、数学嫌いの女子は、「潜在的には数学のことを肯定的に考えている」ことがわかりました。

「女子中学生は『周囲から女性らしいと見られるよう理数科嫌いを装うことが予想される』と考察し、『ジェンダーステレオタイプによる女性としての望ましさから、周囲が理数離れを起こしやすい状況を提供したり、本人も理数嫌いを装ったりすることが、理数科への勉強の動機付けを減じることになり、その結果、成績も下がることになってしまう。(…)

こうして、理数嫌いを装うことが本当に理数にしてしまうのである』と結論づけている」女の子は本当にピンクが好きなのか

世の中の価値観として、「かわいい女の子=算数が苦手」といったものがあるため、自身の好き嫌いとは別に、それに寄せるかたちで数学を苦手としていく側面があるようです。もちろん全ての女性が当てはまるわけではありませんが、女子の数学嫌いは思い込みなのかもしれませんね。

前出の批判を受けたマテル社は、その後、バービーの新バージョンを発表。2012年にはピンクのノートパソコンをもった「ソフトウェア・エンジニアタイプ」の人形も発売しています。バービーは数学嫌いではなくなっているんですね。同国の女子の科学リテラシーの高さを考えると当然と言えば当然ですね。

一方のリカちゃんは、いわゆる日本人っぽさが出ているラインナップ。ナースやプリンセスといった定番のものに加え、回転寿司チェーンの店員、アイスクリームチェーンの店員、ドーナツチェーンの店員など、身近なタイプが存在します。

「タイアップなのだろうが、働く女性のうち六割が非正規雇用である日本女性の置かれている立場を暗示しているようで切ない」と、著者・堀越さんは語ります。

そんな中、今回、エイプリルフールネタではありましたが、モデルとなる香山リカさんが、「理科ちゃん」に改名するといったものが話題となりました。内蔵丸出しの白いコスチュームもインパクト大で、ツイッターで、「香山理科になりました♡時代は"リケジョ"よ、うふふ♪」と投稿。

見た目のインパクトがあったためか、それともリケジョに共感したのか、とにかく話題になりました。

この反響だと、商品化の可能性もありそうですね。今後の展開が楽しみです。