18日、中国最大の河川・長江では遺体が多く発見され、引き上げが日常業務になっている。大規模な洪水が発生した時には1週間で70人以上もの遺体を引き上げることもあったという。写真は長江。

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2016年4月18日、仏メディアによると、中国最大の河川・長江は全長6300キロに及ぶが、重慶市江北区朝陽河の川さらい業者は河川から遺体を引き上げることが日常業務になっている。中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

父親から仕事を継いだある川さらいの代表者は42歳。当初3人いたメンバーも現在は1人きりになってしまった。2015年は年間を通じて100人余りの遺体を引き上げたが、多い年には200人を超えると話す。大規模な洪水が発生した時には1週間で70人以上もの遺体を引き上げることもあったという。自然災害以外では、「孤独感からか、人間関係や家庭の事情からか、女性の遺体が多い」と話している。

重慶では農村から出稼ぎに出てきた女性が長江に身投げをすることで知られた橋があるという。行方不明になって数カ月たって、川さらい業者のところへ行き着く家族も少なくない。自殺は中国の農村に住む女性が死亡する代表的な原因になっている。世界保健機関(WHO)の統計では世界全体の自殺の26%が中国で発生しているとされる。このほかにも、溺れ死んだとみられる遺体や事件に巻き込まれたとみられるバラバラ死体などが見つかっている。

遺体の引き上げは主に地元漁師が行っているが、中には多額の引き上げ料を遺族に請求するケースも出ている。2015年11月、四川省で若い男性が川に転落して死亡したが、遺体を引き上げた漁師が遺族に1万8000元(約30万円)という高額の費用を請求。警察が仲裁し、遺族が5400元(約9万円)支払ってようやく遺体が引き渡された。

現行制度ではこうした多額の費用を請求しても犯罪にはならないという。中国日報はこの問題ついて、漁師の行為は不道徳だが、警察にも責任があると指摘。遺体を引き上げた漁師にわずかながら補助金が支払われるようになったものの、遺族への公的な支援はなく、政府が遺体の引き上げに関与しようとしないことが最大の問題だと伝えている。(翻訳・編集/岡田)