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国土地理院は4月18日、2016年熊本地震に関する無人航空機(UAV)撮影動画および、土砂崩壊地分布図、干渉SAR解析結果等を公開した。

○UAVによる断層などの撮影動画

<4月18日に撮影された南阿蘇村河陽周辺の断層(出典:国土地理院)>

上記の動画は、熊本地震に伴い出現した南阿蘇村河陽周辺の断層を、国土地理院が4月18日にUAVで撮影したもの。同動画では、地表の亀裂や斜面崩壊が確認できる。

図中の灰色線で示された亀裂は、急な斜面や土手が地震動で崩落したことによって生じたものであるが、赤色線で示された亀裂は平坦な農地や道路を横切って直線状に並んでおり、斜面の崩落によって生じるものではないと判断できる。また、4月16日撮影の動画では、この直線状の亀裂が右横ずれを示す雁行状に配列していることが確認できるため、国土地理院は、地表に現れた断層のずれと判断している。なお、動画では図中A地点付近より北東側には、断層のずれと思われる亀裂は確認できないことから、この地点が地表に現れた断層のずれの末端の可能性があるとしている。

UAVで撮影されたその他の動画は、国土地理院動画チャンネルで視聴可能となっている。

○航空写真を用いた土砂崩壊地の分布図

また国土地理院は、4月16日1時25分の地震(M7.3)の発生後に、同日緊急撮影した航空写真を用いて、地震により生じた土砂崩壊地の分布を判読した。

航空写真は、同地震による震度が6弱以上の地域と、4月14日21時26分の地震(M6.5)で被害のあった地域を勘案して撮影範囲を設定し、おおむね1ha以上のものを「土砂崩壊地(大)」、0.1ha〜1haのものを「土砂崩壊地(小)」として判読した。

判読の結果、土砂崩壊地の分布は、熊本県南阿蘇村立野・河陽地区とその周辺、および阿蘇火山の西麓、西南麓に集中していることが明らかになった。なお、今後の地震活動、降雨の影響などにより、土砂崩壊地は増加する可能性があるという。

○だいち2号干渉SARによる変動の検出

さらに国土地理院は、地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)が観測した合成開口レーダー(PALSAR-2)画像の分析から、14日の地震(21:26頃発生M6.5)、15日の地震(0:03頃発生M6.4)、16日の地震(16日1:25頃発生M7.3)およびその余震に伴う地殻変動を明らかにした。

分析の結果、布田川断層帯に沿って非常に顕著な地殻変動が見られた。16日の地震(M7.3)では布田川断層帯の布田川区間が活動したと考えられており、その西端付近では北側で衛星に近づく向き(東向き、もしくは隆起)、東端のさらに東側延長で、北側で衛星に近づく向き、南側で衛星から遠ざかる向き(西向き、もしくは沈降)の変動が見られている。国立地理院によると、これらの特徴は、今回の地震が右横ずれ断層運動であったことと調和的であり、布田川区間の中央部付近で大きな地殻変動が見られ、この付近で大きな断層滑りが生じたことが考えられるとしている。また、地下の震源断層の東端は既知の活断層の東端よりもさらに数km東側まで到達している可能性があるという。

またこのほかにもさまざまな変動が見られ、地震により多数の地表面のずれや地すべり、液状化等が生じたと考えられるため、国土地理院は今後、さらなる断層の分析を進めていくとしている。

(周藤瞳美)