中国で高速鉄道産業が興ったのは日本やドイツ、フランスより圧倒的に遅かったが、今や新幹線と輸出競争を展開できるほどの競争力を得た。一方、中国の自動車産業は高速鉄道産業よりは長い歴史を持つが、市場の大半を外資企業に奪われていると言える状況にあり、中国メーカーの競争力はまだ世界に通用するとは言い難い状況にある。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国で高速鉄道産業が興ったのは日本やドイツ、フランスより圧倒的に遅かったが、今や新幹線と輸出競争を展開できるほどの競争力を得た。一方、中国の自動車産業は高速鉄道産業よりは長い歴史を持つが、市場の大半を外資企業に奪われていると言える状況にあり、中国メーカーの競争力はまだ世界に通用するとは言い難い状況にある。

 中国メディアの捜狐はこのほど、中国高速鉄道と中国の国産自動車のレベルに大きな差が生じた要因について分析する記事を掲載。その要因とは政府にとっての重要度の差、市場の差、環境の差という3つだという。

 中国の李克強首相は「高速鉄道のセールスマン」と呼ばれ、外遊のたびに中国高速鉄道のセールスに励んでいる。それは、中国高速鉄道に対して絶対の自信を持っているからだろう。李克強首相は奇瑞汽車やBYDなどの中国国産自動車のセールスマンを買って出たことがないこと自体、国として力の入れ具合が違うことを示唆している。高速鉄道産業も自動車産業も同じように技術導入で始まったはずが、2つの産業に差が生じたのはなぜだろう。

 記事が論じる1つ目の要因は「政府にとっての重要度の差」だ。発展途上の中国にとって鉄道は経済発展のための「動脈」だったと記事は表現、しかし自動車産業は中国経済の発展に対してそれほど重要な産業だとはみなされなかったと説明している。この点、日本の自動車の場合はトヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏やその父である豊田佐吉氏が自動車産業の重要性を認識していたこと、また政府の援助により日本を代表する産業に成長した。

 さらに記事は2つ目の要因として「市場の差」を指摘。中国高速鉄道の場合は中国鉄路総公司が市場に相当、同企業が持つ安定した資金力が技術向上に貢献したと説明しているが、中国の自動車メーカーは競争力不足によって資金を市場から獲得できず、そのためいつまでたっても産業のレベルは向上していかないと論じている。では、中国政府が大々的に自動車メーカーをバックアップすることはあり得るだろうか。そのためには集中的に支援する少数の自動車メーカーを選択する必要があり、それは中国の数々の国産メーカーの死を意味することになるだろう。

 記事は最後に「環境の差」という要因を指摘。日本の狭い国土という「環境」は新幹線の発展に限界を生じさせたと記事は説明し、日本にとって新幹線は国の柱になる産業ではなく、その基幹技術は中国に対して「死守すべき秘密」ではなかったと記事は論じている。

 一方、自動車産業はどの国にとっても柱になる産業となっており、その基幹技術を絶対に中国に奪われないようにしていると記事は指摘。それで中国国産自動車は高速鉄道のような発展を遂げることができていないと論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)