先日、レンタルサーバーを運営する会社が誤った命令を実行してしまい、「バックアップを含むサーバーの全データを削除してしまった。何か良い方法はないですか?」という書き込みが行われ、議論が紛糾しましたが、これは、コマンドを正しく知っている人がどれだけいるのかを試したフェイクでした。しかし、イギリスに"釣り"ではなく誤った命令によってサーバーデータを本当に削除してしまったサーバー運営会社が現れています。

Web host 123-reg deletes sites in clean-up error - BBC News

http://www.bbc.com/news/technology-36072240

ubuntu 12.04 - Monday morning mistake: sudo rm -rf --no-preserve-root / - Server Fault

http://serverfault.com/questions/587102/monday-morning-mistake-sudo-rm-rf-no-preserve-root

先日話題になったのは、Q&A掲示板Server Faultに書き込まれたレンタルサーバー会社のエンジニアの質問。「『rm -rf /』コマンドを誤って実行してしまい、全データが消えてしまった。何か良い方法があれば教えて欲しい」、というもの。この書き込みを行ったマルコ・マーサラさんは、データを復元する案を募ったところ、「バックアップから戻せば?」という回答が寄せられましたが、「バックアップも含めて削除されたみたい」と応答。詳しい状況を根掘り葉掘り聞かれた末に、「打つ手なし」という結論に達しました。



しかし、この書き込みは実はLinux関連書籍を執筆中のマーサラさんが、現在のLinuxでは「-no preserve」というオプションコマンドなしでは全データが消去できないような安全策がとられていることがどれだけ知られているのかを調べる目的だったそうで、実際にサーバーからデータが消滅したという事故は発生していないことが分かり、悲劇は架空のものということで一件落着ということになりました。

しかし、BBCが報じるところによると、170万サイトをホストするイギリスのレンタルサーバー(ホスティングサービス)「123-reg」が、メンテナンス中のエラーによって、ホストしているいくつかのサーバーのデータを誤って消去してしまったことが判明。データ復旧作業に取り組んでいることが明らかになりました。



ウェブサイトを運営するために必要なサーバーは、そのサービス専用のサーバー(プライベートサーバー)をレンタルすると非常に高く付くことから、バーチャル・プライベート・サーバー(VPS)と呼ばれる、数百サイトを1台のサーバーで管理して安価にプライベートサーバーの機能を仮想的に実現する形態が多く利用されており、123-regもVPSサービスを提供していました。

123-regはイギリス国内だけでも80万サイトのデータを管理しており、データを消去されたサイトの数は「わずか」というだけで、正確な数を公表していません。BBCの取材に対して123-regは、すべてのサーバーデータのバックアップをとっているわけではないことを認め、現在、データ復旧の専門業者とともに、データの復旧作業を急いでいるとのこと。なお、123-regのサポートSNSやTwitterには、データを削除されサイトが消滅したサイト運営者を中心として、123-regの管理体制を批判する悲鳴に近い書き込みがあふれているそうです。

@123reg @HelloSpeakman There must be some information available right? What exactly are they working on?— Andy Howell (@spacebeers) 2016年4月18日

同様の事例として、日本でも2012年にホスティングサービス「ファーストサーバー」が大規模なデータ消失事故を起こしたことがよく知られています。ファーストサーバーは誠実に事故対応に取り組み、顧客の信頼を取り戻して今なおサービスとして生き残っていますが、事故対応を誤ればどんなホスティングサービスであれ終焉を迎えるという可能性は十分あります。人間のミスをなくせない以上この種の事故は避けられないとも言え、事故を未然に防ぐ対策と起こってしまった事故にどのように取り組むかが、ホスティングサービスの品質を決めることになりそうです。