初の「世界人道サミット」が5月にトルコで開催されるのを前に、関係者が記者会見し、「世界中で1億2500万人が人道援助を必要としている」と訴えた。写真は右から渡部正樹OCHA神戸事務所長、白石和子外務省女性・人権人道担当大使、長有紀枝JPF理事長。

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2016年4月18日、国連主催による初の「世界人道サミット」(5月23、24日)について、渡部正樹 国連人道問題調整事務所(OCHA)神戸事務所長、白石和子外務省女性・人権人道担当大使、長有紀枝NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)理事が、日本記者クラブで共同会見した。トルコのイスタンブールで開催され、主要国はじめとする各国政府や関係機関、非営利活動法人(NGO)などが出席する。

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相次ぐ紛争や自然災害、急速に進む人口増加や深刻な貧困、気候変動の影響などにより、人類が直面する『人道危機』は高まっている。こうした中で、より効果的な人道支援を実現するために、今何が求められているか―を討議。その結果を具体的に提案する。

渡部正樹・国連人道問題調整事務所(OCHA)神戸事務所長は「世界中で1億2500万人が人道援助を必要としており、この人数は第2次大戦後最大だ」と強調した上で、「人道危機は欧州の難民問題だけではなく、シリアやその周辺国、アフリカなどを含め世界全体に及んでいる。大変な事態に至っていることを認識してほしい」と訴えた。

白石女性・人権人道担当大使は、人道サミットの直後に開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット=5月26、27日)と併せ、「2つのサミットのシナジー(相乗効果)を目指す」と言明。「女性が輝く社会づくりをリードする国・日本として、人道危機下の女性の保護と支援を推進したい」とアピールした。

長JPF理事は、「企業などの優れたノウハウを人道支援の課題に適用すべきだ」と提案。「継続的にイノベーションを生み出せるプラットフォーム構築のためのプロジェクト」の成果を世界人道サミットで発表したい、と語った。

世界人道会議の事務局を務める国連人道問題調整事務所によると、同サミットの潘基文事務総長は以下のように指摘している。

気候変動は、世界の至るところで生命と暮らしに影響を及ぼしている。紛争、暴力的な過激主義、国境を超える犯罪、格差拡大により、無数の男女や子供たちの命が奪われ、彼らが暮らす地域全体が不安定化している。

今日の複合的な課題は国境を超え、単独で対処できる国家も組織もない。こうした課題に対処できるよう、国内、地域、国際的な機関の能力への信頼性を回復させねばならない。

政策を形作り、財政支援の判断をするのは、人道主義という共通の価値観であるべきだ。世界人道サミットに先立ち、行動と変化、相互の説明責任のための枠組みとして次のような「人道への課題」を表明したい。

(1)指導者は紛争を予防し、終わらせるため、政治的な解決への取り組みを強化しなければならない。紛争の莫大(ばくだい)な人的、経済的コストは、人類発展の最大の障害である。私たちは、危機の管理から予防へと移行する必要がある。

(2)各国は人道性を保障する規範を堅持しなければならない。それは、国際人道法や国際人権法を順守し、市民やその居住地域を標的にした爆撃や砲撃をやめることだ。国内、国際的な法制度にのっとり、こうした行為の免責を許さないことでもある。

(3)誰も置き去りにしてはならない。まずは、最も支援が遅れていた人々に手を指しのべるべきだ。紛争や慢性的な貧困を含む、最も脆弱(ぜいじゃく)な状況に置かれた人々、自然災害や海面上昇の危機にさらされている人々の生活を変えるということである。そのためには、強制的に家を追われる状況を減らし、移住者に対して正規かつ合法的な機会を提供しなければならない。(八牧浩行)