熊本や大分で発生した大きな地震に対し、江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」がお見舞いメッセージを発したことが中国国内で話題となった。中国メディア・未来網は17日、日本の震災への態度と「愛国」との関係に対する有識者の見解を紹介しつつ、「歴史問題を理由に相手の災難を喜んではならない」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 熊本や大分で発生した大きな地震に対し、江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」がお見舞いメッセージを発したことが中国国内で話題となった。中国メディア・未来網は17日、日本の震災への態度と「愛国」との関係に対する有識者の見解を紹介しつつ、「歴史問題を理由に相手の災難を喜んではならない」とする記事を掲載した。

 記事は、九州地方で地震が発生して以降、一部の中国ネットユーザーが「日本はかつて中国に対して大罪を犯した」ことを理由に災難を喜ぶような態度を取り、理性も人道もない語調でうっぷんを晴らしていると紹介。これに対してあるメディアが「同じ人類として、ある民族の『快楽』は別の民族が天災で受けた苦痛の上に成り立ってはならない。このような『愛国行為』は、その民族の成長を阻むことになる」と論じたことを伝えた。

 さらに、復旦大学日本研究センターの郭定平主任が「日本が中国を侵略したのは事実であり、感情的になるのも理解できる」としたうえで、天災に対しては自制すべきであると指摘、「日本の地震を喜ぶことは愛国的な表現でないばかりか、わが国のイメージを損ねる無責任なやりかただ」と批判したとした。

 記事はまた、四川大地震の際に日本が12の救援隊を出動させ、8つの支援プロジェクトを立ち上げたことを説明したうえで、「中国の民衆はどうしたら理性的な愛国ができるか」とも問いかけている。

 日本の震災に対して「何が愛国で、何が愛国でないか」という議論は、2011年の東日本大震災時にもあった。今回も中国のネット上で、震災の発生を喜ぶような一部の言論が出現したことは、非常に残念でならない。そもそも被災者に対してお見舞いや哀悼の意を示すという行為は、本来人間の自然な感情から出るべきものであり、そこに「愛国」や「わが国のイメージ」などといった要素を持ち出すこと自体が野暮というものではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)