PTAというと、「面倒」というイメージがどうしてもつきまといがち。特にクラス役員を決めるときにひと悶着あると聞くけれど、やっぱりトラブルは多いのだろうか。『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(太郎次郎社エディタス)の著者、大塚玲子さんに話を聞いてみた。

「PTAのトラブルでもっとも多いのは、クラス役員を決める際の押し付け合いでしょう。一部の人に負担が偏らないよう、みんなで平等に引き受けるべき、という風潮があり、その人が役員をできる状況にあるか否かにかかわらず、まだ役員をやっていない人にやらせようとする傾向があります」(大塚さん 以下同)

平等な負担を求めるあまり、本当に事情があってできない人にも押し付けてしまうケースも少なくないのだとか。

「『できない』『やらない』と言う人は、ただ気持ち的に嫌で避けている人と、本当に事情があってできない人と、2種類いると思います。後者には、親の介護をしている、小さい子がいる、パートのシフトが変更できない、ひとり親でダブルワークしているなどいろんな理由があり、そういう人にまでやらせたいと思っている人は少ないと思います。でもそういう人も、ただ気持ち的に避けている人と見た目では区別できないため、『あの人やってないなんてズルい!』と見られて、仕事を押し付けられることになりがちです」

●どうしても断るしかないときは、どうすれば?

では、やむを得ない事情があって役員を断るときに、不満に思われることを避けるにはどうしたらいい?

「みんなの前で個人的な事情を言わされることが多いですが、言いたくなければ言う必要はありません。心配な場合は、事前に担任の先生に事情を伝えておくのも一案です。理由を言わずに『できない』と言うと、その場で角が立ちやすいところはあるので、できること・できないことを具体的に伝えるのもいいと思います。たとえば『この時間帯に学校に行くのは無理ですが、自宅のパソコンで資料を作ることはできます』などと伝えると、印象が違うはず」

大塚さんによると、やりたくないと思う人のなかにも、純粋にやりたくないという人と、時間的な負担が大きすぎるなど今のPTAのやり方が納得できないからやりたくない、という人の2種類がいるそうだ。

「時間的に無理のない仕事量なら引き受けてもいいと思っている人は、実は少なくないんです」

そもそもPTAは、専業主婦のお母さんたちの労働力を前提に仕事が組まれているため、現状では、お勤めの保護者が参加しづらい側面があるのも事実だ。

「これはおかしいと思う点があったら、我慢して1年やり過ごすのではなく、『こうしてはどうですか』などと代替案を出して、積極的に変えていってくれるとうれしいです。誰かが変えていかないと変わりませんから。PTAの古い体制は、今まで引き受けることになった人が耐え忍ぶことで続いています」

実は今、PTAを参加しやすい活動に変えるケースも増えているという。できない事情は伝えつつ、声を上げていくことがこれからのPTA活動には必要のようだ。

(ノオト+石水典子)