熊本県で14日に震度7の地震が発生し、その後も大きな地震が相次いでいることについて、中国では中国メーカーの電子部品の調達に大きな影響が出るのではないかと懸念が高まっている。(イメージ写真提供:123RF)

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 熊本県で14日に震度7の地震が発生し、その後も大きな地震が相次いでいることについて、中国では中国メーカーの電子部品の調達に大きな影響が出るのではないかと懸念が高まっている。

 中国メディアの科技新報はこのほど、中国の読者に向けて「今回の地震が発生した熊本県がある九州は半導体工場が数多く存在する」ことを伝え、世界に向けて電子部品を供給している一大生産地であることを紹介。地震によって工場の稼働が止まれば、世界の電子産業への影響も出てくる恐れがあると伝えている。

 九州の各地には日本の大手メーカーの半導体工場が数多く存在するが、記事は「九州は日本の半導体産業における中心地と言っても過言ではない」と指摘。九州に半導体工場が数多く存在するのは、半導体の生産に必要不可欠な水と電力が九州には豊富に存在するためだ。

 また記事は、整備された交通インフラと豊富な労働力があったため、九州には半導体工場が数多く建設されたと紹介し、近年は工場の数が減少しているとしつつも、ソニーや東芝、日立など大手メーカーの工場が存在することを指摘。地震の影響によって半導体工場で生産が滞れば、世界的な供給不足が生じる可能性があることを伝えている。

 東日本大震災の際も東日本の各地で生産や物流が麻痺してしまい、日本のみならず、世界経済にも大きな影響をもたらした。自然災害によって日本の世界における影響力が顕在化するのは皮肉なものだが、一刻も早く地震が収まり、被災地の復興を願わずにはいられない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)