共演した岩崎宏美とジャズピアニスト国府弘子

 歌手の岩崎宏美が16日・17日、ティアラこうとう(東京都江東区)で、昨年5月からおこなってきた40周年のコンサート『40周年感謝祭 光の軌跡』のファイナル2DAYS公演を開催した。その初日となる16日は、ジャズピアニストの国府弘子によるピアノ演奏だけで歌う「ピアノ・ソングス」ステージを実施。同じ会館で2日間全く違う内容のステージをお披露目するのは、40年のキャリアでも初めての試みとなった。もともとこれは2014年に岩崎・国府の2人だけでおこなうコンサートとして全国12会場で展開してきた限定企画であったがこの日一夜だけ復活した。

 幕開けは国府弘子の静かなピアノのイントロに始まり、続いて登場した岩崎がステージに登場、スロウにアレンジされたサイモン&ガーファンクルの「スカボロー・フェア」でスタート。そして厳かなムードから一転して2曲目からはビートの効いた自身のヒット曲「シンデレラ・ハネムーン」。そのあとも「万華鏡」から「思秋期」まで、代表曲の数々が国府の斬新かつ繊細にピアノアレンジされそれに岩崎の伸びやかでしなやかな歌声が重なり、歌×ピアノといったシンプルな編成からは予想できないスケール感で披露され、会場は興奮に包まれる。

 緊張もするであろう2人だけのステージ、そこはそれぞれキャリアを重ねた2人でもあり、プライベートでも親交の深い岩崎・国府の絶妙な間合いはそれを感じさせない。トークパートでも軽妙な掛け合いが続き、会場からも笑いが。そのギャップもまた魅力なのだろう。

 第2部では、「SONGS」リベンジコーナー。これは今年2月に二人が出演したNHK「SONGS」内でのスタジオライブで、番組がリストアップした100曲の中から選ばれた客席のリクエストに即興で応えるというコーナーで、リハ無しのぶっつけ本番に、二人に残る「悔い」を果たそうという企画。ここでは妹である岩崎良美のヒット曲「タッチ」、玉置浩二の「メロディ」、そしてNHKの朝ドラのテーマ曲「365日の紙飛行機」を披露。

 また、岩崎の”一五一会”(BEGINが開発した楽器)の弾き語りと国府のピアニカによる「イマジン」のカヴァーをきっかけに、客席を巻き込んだビートルズのリクエスト・コーナーも。「聖母たちのララバイ」などいつもとは違う新鮮なアレンジで届けられた。

 アンコールの「月見草」ではマイクを外して歌い客席からも大歓声が送られた。そして「デビュー41年目となる今年は、弘子ちゃんとコンサートをします!」と、8月から始まる新しいツアーが「ピアノ・ソングス」であることを発表。また二人による新作アルバムの制作が始まっている事も発表、ファンにはうれしいニュースが続けて発表された。更には最後の最後で岩崎から「今日だけ特別に撮影OKです」というサプライズもあり、大撮影会でステージは終了した。

 なお、ツアーの詳細は公式ホームページでも確認することできる。

■セットリスト

岩崎宏美 ピアノ・ソングス with 国府弘子
4月16日、ティアラこうとう

第1部
01.スカボロー・フェア
02.シンデレラ・ハネムーン
03.万華鏡
04.すみれ色の涙
05.ロマンス
06.思秋期
07.光の軌跡
08.いのちの理由

第2部
09.You Tune My Heart
10.SONGS リベンジコーナー
  (1)タッチ
  (2)メロディ
  (3)365日の紙飛行機
11.イマジン(一五一会/ピアニカ)
12.リクエスト・コーナー(ビートルズメドレー)〜MY LOVE
13.Hey Jude(一五一会)
14.シアワセノカケラ
15.聖母たちのララバイ
アンコール
16.月見草

■コンサート情報

(2016年4月16日現在)
岩崎宏美 ピアノ・ソングス with 国府弘子
2016年8月27日(土)藤岡市みかぼみらい館
2016年9月11日(日)八日市文化芸術会館
2016年9月22日(木・祝)三島市民文化会館・大ホール
2016年9月24日(土)相模女子大学グリーンホール
2016年10月15日(土)吉見町民会館(フレサよしみ)
2016年10月23日(日)秩父ミューズパーク音楽堂
2016年10月30日(日)新発田市民文化会館
2016年11月13日(日)山形市民会館 大ホール
2016年11月19日(土)平塚市中央公民館大ホール
2017年1月21日(土)仙台市民会館 大ホール 
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