ペットもマッサージで元気に長生き!?(shutterstock.com)

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 近年は、犬や猫などのペットの室内飼育がスタンダードになり、ペットフードや動物医療の質が向上したことも相俟って、その寿命はぐんと延びた。と同時に、生活習慣病などの慢性疾患や老化現象に悩まされる動物も増えている。

 そんな中、単なる病気やケガの「治療」から、「自然治癒力」や「緩和ケア」などQOL(生活の質)を高めるケアが注目されている。代替医療だ。本来、動物医療は、西洋医学的な治療が中心だが、それでは対応できないケースが増えているためだ。

 ペットの世界にも人間さながらに、あらゆる代替医療が存在する。鍼灸、指圧、漢方などの東洋医学もあれば、アロマセラピー、ホメオパシー、バッチフラワーレメディー、サプリメント類など西洋の代替医療もある。マッサージやテリントンTタッチ(もともとは馬のためのケア)も、よく施術されている。

 こうした代替医療は、ペットの身体だけでなく、メンタル面にも良い作用がある。ペットたちは、従来の動物病院での「痛い」とか「怖い」といった思いより、むしろ心地よさを感じられる。結果、心身とも健やかになり、多くの飼い主の願いである「元気に長生き」が実現できる。たとえ病気を抱えていても、その苦しみを軽減しながら生活できるのだ。

 とはいえ、専門性が求められるケアは、獣医師や施術者など専門家にゆだねる必要があり、コストもかかる。そう頻繁には、受けさせてあげられないものである。

 そこで、多くの飼い主が取り組んでいるのが、マッサージやTタッチである。家庭でできるハウツーを学べば、日常的にケアして、飼い主自身の力でペットのQOL向上に働きかけられる。どちらも体を触るケアだが、マッサージは筋肉に働きかけ、Tタッチは神経に働きかける点が異なる。
家庭でのケアでスキンシップ

 マッサージと一口にいっても、人間の世界と同様、さまざまな施術法がある。しかし多くは、筋肉をほぐして血行促進することで健康度を高めるのが目的だ。筋肉の張り具合など、ペットの体の状態は、一般の飼い主にはわかりにくいが、ペットが気持ち良さそうにしていれば効果ありといえるだろう。そのためには、施術者である飼い主自身がリラックスしていることも大切だ。

 一方、テリントンTタッチとは、なじみのない名前の施術だが、それもそのはず。もともとは馬のために開発され、動物を対象として広まったタッチセラピーなのだ。文字通り、タッチするだけで、ぐいぐい押さない、優しい施術である。

 Tタッチは、皮膚への刺激により、神経をしずめ、心身を整える目的がある。血行促進のマッサージと違って、炎症や腫瘍があっても施術できる安全性の高い施術だ。むしろ、痛みの緩和に役立つ。テリントンTタッチ日本事務局が、ワークショップやスタディコースを全国的に開催しているので、一般の飼い主も気軽にいつでも習得できる。

 どちらも習慣化すると、健康維持につながる有効性は実証されている。加えて、実はペットとの良いスキンシップにもなる。体を触っている間は、言葉では表せないコミュニケーションタイムだ。お互いに、愛情や信頼を交わせる、貴重な時間になる。

 こうしたスキンシップの面だけ見ても、「愛されペット」として、QOLが向上するのは必至だ。

 なお代替医療の類いは、人間の世界では自費診療の対象がほとんどで、コストがかかるイメージが強く、なかなか縁遠い。しかし、ペットの医療界には、健康保険制度がないため、一般的な西洋医学の治療も値段がかかることを考えると、天秤にかけやすいかもしれない。両者の良さを取り入れた統合医療も最近は増えている。

 一般社団法人日本アニマルウェルネス協会が運営している、ホリスティックケア・カウンセラーの養成講座では、こうしたホリスティック医療について、じっくり学ぶことができる。講師には、今日本でさまざまな面からホリスティック医療に注力している、そうそうたる顔ぶれの専門家が揃っている。

 ペットが幸せなら、人間も幸せ――。ペットの代替医療は、めぐりめぐって、飼い主の健康促進に貢献するともいえるだろう。
(文=編集部)