中国経済の成長に伴い、中国は現在、さまざまな分野で「世界一」となっている。中国メディアのBWCHINESEはこのほど、中国の経済活動の様々な「世界一」を紹介したが、数々の分野で世界一となった中国において、国民の1人1人が必ずしも真の豊かさを享受できていないことを示唆している。

 記事は、中国には「外貨準備高」や「電子商取引の規模」、「海外旅行消費」、「高速鉄道関連」、「自動車販売台数」、「スマートフォン市場」などが世界一であることを指摘している。

 そのほかにも中国の鉄鋼生産および輸出、石炭産出、セメント生産量、化学繊維生産量、金産出量、インターネットユーザー数など、広範囲において中国はさまざまな世界一と持つが、こうした世界一に共通する要素として、やはり中国の圧倒的な人口や国土の広さを指摘することができる。

 一方で記事は、住宅価格と年収の比も中国は世界一であると紹介。この比率が高くなるほど住宅購入時の圧力が大きくなるわけだが、記事は米国の場合は約5倍、韓国のソウルで15倍、日本の首都圏では8倍だと説明。しかし中国の深セン市はすでに25倍に達していると紹介している。記事が紹介する「2008年 中国統計年鑑」のデータによれば07年の中国の住宅価格と年収比の平均は15倍、北京は23倍、上海は17倍だ。

 統計資料によれば北京の人口は約2000万人、上海は2200万人、深セン市は1200万人だ。合計すると日本の総人口の半数近い人がこの3つの都市で生活していることになる。住宅価格と年収比から言って、こうした人びとのなかには住宅購入が困難な人も多いはずであり、また賃貸物件に住むにしても狭い空間を何人もの人とシェアせざるを得ないケースも実際に見受けられる。

 中国のさまざまな世界一は、中国の人びとの生活を世界一豊かにしているといえるだろうか。都市部の大気汚染が肺ガンの原因になっているという分析もある。「世界一」という栄誉と国民の真の豊かさは等号で結ぶことはできないことが分かる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)