「親に虐待されて育つと、自分も子どもに同じようにしてしまう」などといわれることがある。

一方で、自分自身が虐待されてきた過去のトラウマから、「自分は絶対に子どもに同じことをしない」と強く思うあまり、「子どもの顔色ばかり見てしまう」「子どもを強く叱れない」というママもいるよう。

こうしたママたちの心情について、母娘関係改善カウンセラーの横山真香さんは次のように言う。

「子どもを叱ることができないお母さんは、『叱る』という言葉が、『怒る』=『虐待』といったイメージのネガティブワードになっているのでしょう」(横山さん 以下同)

本来、「叱る」ことは感情任せの「怒る」こととは別であり、危険を伝えるなど、「その子が生きていくうえで必要なメッセージを伝えること」。だが、特に自分が虐待されてきた経験を持つ人の場合、ネガティブイメージがどうしても強くなるのではないかという。

「子どもは本来、どの子も賢く、繰り返し言わなくてもわかるものです。ただ、子どもが生き抜くために必要な情報を提供していけば、子どももきちんとキャッチするのですが、日頃から細かなことまで全部注意しすぎていると、『必要なもの』が見えなくなる、あるいは『また始まった』と思い、耳をふさいでしまうのです」

●子どもを叱れないのは、自分の自己肯定感が低いせい?

感情的にならず、子どもを「叱る」にはどうしたら?

「危険なことなど、本当に必要なときだけ叱るということがまずひとつ。もうひとつは、先回りして注意したり、何度も繰り返したりしていると、子どもの心の琴線に響かなくなるので、じっと見守ることも必要です」

また、「子どもの顔色ばかり見てしまって、叱れない」のは、自己肯定感が低く、自分に自信がないからだと横山さんは言う。

「虐待されてきた経験があると、つい自分自身を責めてしまいがち。ですから、子どもを叱れないママは、まず自身の自己肯定感を高めなければいけません。育児は忙しく大変ですが、『母親』という役割を与えられた今こそ、育児を通して自分自身を見つめ直す良い機会と考えましょう」

子どもを叱れないのは、自分自身ときちんと向き合えていないからという可能性も。「親」という新しいステージに立った自分を一度ゆっくり見つめてみるのも良いのでは?

(田幸和歌子+ノオト)