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 1947年、名古屋で創業されたコメ兵。明治30年、米屋からはじまった事業は、古着販売などを経て現在のブランド品を中心としたリユース事業へとシフトしてきた。現在では全国40店舗、売上高は471億円を誇る。今回は、同社のECビジネスを育て上げたIT事業部長の藤原義昭氏が、事業者の視点からのオムニチャネル成功の鍵と、課題意識を持つマーケターへのアドバイスを語った。

■720万円のダイヤがEC経由で売れるコメ兵

 「今日は事業者の立場から、今までやってきたことを、失敗も含めて話したいと思います」(藤原氏)

 そう切り出したのは、名古屋に本社を構えるコメ兵のIT事業部長である藤原義昭氏。同氏は、新卒社員として入社後、宝石の鑑定士などを経てEC部門を立ち上げた。そして現在ではWEB事業室長も兼務し、コメ兵のオムニチャネル推進を一手に担う人物だ。
株式会社コメ兵 IT事業部長 藤原義昭氏

 コメ兵の収益の中心となっているのがリユース事業だ。実店舗とECが展開されており、扱う商品は実に多岐に渡る。そのなかでも、貴金属やジュエリー、時計といった高級品が多くを占めるという。

 例えば、およそ720万円ものダイヤの指輪がECサイトにラインナップされている。これだけ高額の商品が掲載されているだけでも驚きだが、なんと商品掲載ページには「SOLD OUT」の文字。

 「これほど高額な商品ですが、EC経由で売れています。その秘訣こそ、オムニチャネルの加速にあるのです」(藤原氏)

■オムニチャネルを推進していく上でのKPI設定

 同社のように店舗も持ち、ECも行っている企業の場合、どの施策が売上に結びついたのか判断することは難しい。これは経営者の戦略としてはもちろん、社員の立場で考えても評価に関わる重要な部分である。藤原氏はWEB事業の成果を判断するためのKPIを設定するにあたり、売上の種類を大きく2つに分類した。
WEB事業部の売上種別

 1つは「宅配売上」で、これには自社ECサイトにおける売上と楽天やアマゾンなどECモールからの売上が含まれる。そして藤原氏が「オムニチャネル推進において重要」と語るもう1つの売上種別が、「EC関与売上」だ。

 「EC関与売上とは、ECを見て店舗に来て購買したものを指します。この中の『事前予約売上』は、EC経由で商品見学の予約をする、いわゆるお取り置きですね。そして『店頭他店取寄売上』とは、店舗に目的の商品がなかったが他店の在庫にあった場合、それを最短で翌日のお昼には取り寄せられる仕組みです」(藤原氏)

 また、このEC関与売上は店舗の売上としても計算されるため、店舗従業員の評価にも反映される。これにより、店舗社員のモチベーション向上にも寄与できたという。

MarkeZine編集部[編]、高山 透[写]、渡邊徹則[著]