2.5次元舞台で活躍中 河原田巧也を読み解くキーワードは「安定」!?
自らを「安定志向の公務員タイプ」と堂々と語る俳優も珍しい。どうして芸能の世界に迷い込んでしまったのか…? ミュージカル『テニスの王子様』、『薄桜鬼』に舞台『弱虫ペダル』と2.5次元作品を中心に存在感を発揮している河原田巧也。安定を求める本人の性向とは裏腹に、刺激的な挑戦として人気コミックを原作にしたミュージカル『魔界王子 devils and realist』を控える彼に直撃インタビュー! 舞台への意気込みから気になるプライベート、恋愛観までたっぷりと話を聞いた。

撮影/平岩亨 ヘア&メーク/小田昌弘
取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.

夢見るタイプじゃありません(笑)





――『魔界王子』は19世紀のイギリスを舞台に、貴族の子息ウイリアム(石渡真修)が魔界の王の選定を巡る争いに巻き込まれていくというファンタジーですね。原作を読んだ感想は?

華やかで人を惹きつけるものがあって「宝塚歌劇みたいだな」という印象を持ちました。参考になればと宝塚の作品をいくつか見ています。

――河原田さんが演じるシトリーは、悪魔王の候補のひとりですが、原作では女性と見まがうようなビジュアルが特徴的ですね。

僕が演じる時点で、「女の子?」と思われるようなシトリーにならないのは確かです(笑)。シトリーは、女の子っぽいからではなく、美しいから周囲を惹きつけるキャラクター。原作のビジュアルの美しさを2.5次元の舞台で出すのは難しいですが、それとは違う形で人を惹きつける魅力を出して、お客さんを納得させたいと思います!

――『テニスの王子様』や『弱虫ペダル』などの“部活”とはまた違った群像劇になりそうですね。

この独特の世界観の中で、まず“美しさ”を一番に大事にしたい。加えて僕自身、舞台の泥臭さがすごく好きなので、“美し泥くささ”を目指せればと思います。ミュージカルとしてやる意味をお客さんに感じていただける作品にしたいですね。

――タイトルに『devils and realist』とあるように主人公のウイリアムはガチガチの現実主義者ですが、河原田さん自身はリアリスト? それともロマンチストですか?

あんまり夢を見るようなタイプじゃないですね。ホント、「公務員」とか「給料制」って響きが大好きなんで(笑)。



――冷静に、現実を見据えて…

コツコツと堅実に(笑)。スケジュールも毎日、決まっているほうが気持ちいいし、決められたことをきちっとやるのが性に合ってるんです。いまさらですけど、時間割がきっちりと決まってる学校生活ってうらやましいです。

――シトリーもライバルのダンタリオン(鮎川太陽)も、自分を王に選んでもらうためにさまざまな策略を仕掛けますが、河原田さんはご自分をアピールするのは得意ですか?

どっちかというと自分から前に出ていくのは苦手ですね…。

――舞台などで共演者の方々と距離を縮めたり、ムードを作ったりするのは?

現場では、わりとみんなに「変な人」って言われるんですよね。“憎めないアホ”って感じで(笑)。それを自分でも理解した上で、憎まれないことをいいことに自分から積極的に行きますね。

――新選組やテニス部、自転車競技部といった男子たちの集団の中ではどのようなポジションに?

わりとみんなにかわいがられる感じですかねぇ…?



――主演のときは座長としてみんなを引っ張っていくんですか?

いや、むしろ周りの先輩が、とにかく僕がやりやすい環境を作ってくださって、助けてもらってました。僕自身、一生懸命なのはもちろんですが、主演のときこそ周りに甘えて。で、主演じゃないときも甘えてますね(笑)。

結婚願望アリ! 相手の女性に求めるものは?



――周りが放っておかない甘え上手なタイプですね(笑)。男子の中でのポジションはよくわかりました。では女性に対してのアプローチは?

とにかく、ごはんに一緒に行くことを何度も重ねることですね。

――いきなりごはんに誘うんですか?

おかしいですかね…?(笑)ムダ話をできる関係を作りたいんですよ。会うだけで緊張してたらまだまだでしょ? リラックスして会える関係を作ってからが勝負ですね。



――結婚願望や恋愛観についてもぜひ教えてください!

結婚願望は昔からありますね。公務員タイプとしては(笑)、絵に描いたような幸せな家庭を築きたいです。家に帰ってご飯を食べて、朝起きたらトーストが用意されていて…。30歳くらいで結婚できたらいいなと思ってます。

――女性に求めるものは?

家庭的な女性が好きですけど、何よりも理解が一番ですね。僕のことを理解してほしいし、僕も向こうを理解したい。僕ばかりが求めても、あっちも疲れちゃう。こう見えてけっこう、気遣いをする男なんですよ(笑)。



――ところで、そんな安定志向の河原田さんが、正反対にある芸能界に飛び込んだ経緯が気になります…(笑)。オーディションで事務所に所属されたとのことですが、最初に受けてみようと思ったきっかけは?

それが、本当に「なんとなく」としか言えないんですよね。漠然と“芸能界”という響きに惹かれて(笑)。かといって、子どものころから芸能界に興味や憧れを持っていたかというとそうでもなかったです。そもそも、小さいころは内気な性格でしたし…。

――クラスでもおとなしいほうでしたか?

どちらかというと、小学生のころは恥ずかしがり屋でした。ただ、足が一番速かったので、人気者ではありましたね。

――“俊足”は小学校における人気者のキーワードですね(笑)。ハッキリした顔立ちですし、カッコいい!!って騒がれていたのでは…?

小さいころは常に外で遊んでいたこともあり日焼けして真っ黒だったので、いじめられたってわけじゃないんですけど、ずっと「ガングロ」とか言われてましたね(苦笑)。それが中学に入ったら…。

――周りの反応がガラリと変わった?

中学では生活が変わりますからね。3年生の女子の先輩から「巧也くんって色白いよね」と言われて…。そしたら、すぐにあだ名が「色白」になりました(笑)。

――まさに180度の転回ですね!(笑)中学ではかなりモテたのでは?

はい、すごくモテました(笑)。そのころからちょっとずつ目立ちたい願望が出てきたのかな? スポーツもできるほうだったし。