近年、盛り上がりを見せているハンドメード市場。国内最大級の販売アプリ「minne」(GMOペパボ)も今年2月で500万ダウンロードを突破し、4月17日にはNHKの経済番組『サキどり↑』にて、「自宅から広がる世界! 今どきハンドメードマーケット」と題した特集も組まれる。

市場規模は、なんと8906億円!

同番組を制作するチーフ・プロデューサーの竜山典子(たつやま・のりこ)さん、ディレクターの高見大樹(たかみ・たいき)さんによると、「minne」では月400万円を売り上げる人もいるという。国内ハンドメードサイト全体売り上げは、2014年からの1年間で35億円から78億円にアップ。ハンドメード市場に近いと言われている、クラフト市場全体だと、規模は8906億円にも上る(「ホビー白書2015年版」より)。

『サキどり↑』より

「今やハンドメード作品のクオリティーは趣味の領域を超えている」と竜山さん。番組で取り上げられる関西在住の主婦のクリエイターユニット「ドリマム」も、単に同じ趣味を持つ人の集まりではない。メンバーをオーディションで選抜し、月に1度はミーティングを行う。ネットだけでなくリアルなイベントで作品を販売したり、自動車販売代理店と協同してコンセプトカーを開発したりと、本気度の高い集団だ。

主婦の「働きたい、外に出たい」という思いが原動力に

作品はどれもプロに引けをとらないクオリティー。売り上げトップのランドセルカバーは関西を本拠地とする百貨店「大丸」からも注文がくるほど。消しゴムハンコも人気で、万博公園(大阪府吹田市)で行われた「ロハスフェスタ」というイベントで販売したところ、3日で45万円も売り上げたそうだ。

同プロジェクトのミーティングを取材した高見さんは、現場の空気をこう語る。

「メンバーはごく普通の主婦ですが、もともと仕事をしていた人たち。家庭に入ってからも、『働きたい、外に出たい』という気持ちを持っていて、その溜め込んだパワーに突き動かされているような熱量とプロ意識を感じました」

海外勢も続々流入

竜山さんは、「こんなにすごいママたちがいるんだ」と驚いたという。

「子どもがいると、通園バッグなど小物を手作りする機会がありますよね。家庭でその作品を褒められることはあまりありませんが、ハンドメードマーケットに進出することで、みなさんプロさながらの活躍をみせている。また、手作り作品は単に販売するだけでなく、作品集が出版されたり、材料と作り方がキットになって販売されたりと、ビジネスとしての発展性もある。私も子どもを育てているママのひとりなので、その可能性に感動しました」

『サキどり↑』より

竜山さんによると、手作り作品を販売できるサイトは今、海外からも進出しているという。自宅のダイニングテーブルで家事の合間に作った物が、世界のどこかで喜ばれる――そんな未来が現実のものとなる日も近そうだ。

■関連リンク
『サキどり↑』 (NHK)
NHK総合 毎週日曜 午前8時25分
再放送 毎週水曜 午後3時10分

※編集部追記(2016年4月18日)
熊本地震の影響で、放送が延期となりました。放送日が確定次第、情報を追記させていただきます。

※編集部追記(2016年4月20日)
5月1日に放送予定です。

(編集部)