共働きの家庭が増え、仕事をしている女性が不妊治療を検討することは少なくない。治療の計画はどうやって立てたらいいの? 東邦大学医療センター大森病院の産婦人科医、片桐由起子先生に聞いた。

「男性の場合は一度に複数の検査を行えますが、女性は受ける検査内容によって生理周期との関係が重要となるため、受診する間は月に複数回、通院することも考えられます。そのため、仕事と両立するなら、担当医と相談しながら無理のないスケジュールを考えていくことになります。なかには、日程を確保しやすい時間給を利用するなど工夫しながら、通院している方もいらっしゃいます」(片桐先生 以下同)

最近は不妊治療に対するネガティブなイメージが減ったため、治療することを職場に伝える人も増えているよう。不妊治療の影響で、仕事中に具合が悪くなることはないのだろうか?

「体質によっては薬による副作用が出やすい方もいますが、近年は排卵誘発剤や治療法の選択肢が広がり、以前よりも副作用や治療による負担は減少しています。また、不妊の要因が男女どちらにあるか(もしくは両方)にもよっても、治療の種類や体にかかる負担が変わります。例えば体外受精を受けるとすると、射精して精子を採取する男性と違い、卵巣に針を刺して卵子を採取する女性の方がからだへの負担がかかります」

●長引くこともある不妊治療、止めるとしたらいつ?

ほかに不安要素として考えられるのが、治療が長期化した場合だ。加齢による卵巣機能の低下や、検査で不妊原因が判明しない場合、長引く可能性がある。ちなみに、検査をして不妊原因が特定できない確率は全体の約10%なのだそう。もし治療が長期化した場合、止めるときの判断はどうしたらいい?

「治療が可能であるかを判断する基準は医療機関によっても異なりますが、当センターでは女性の卵子を含んでいる卵胞が発育する状態であれば、ご相談を受けることが可能です。妊娠率や生産率を正しく理解したうえで、どこまで続けるかは、ご夫婦の考え方次第です」

医学的に妊娠適齢期と言われるのは20代〜30代前半。高齢になれば、自然と不妊治療が長引くことが予想される。とはいえ、キャリア形成を望む女性も少なくない。妊娠・出産の時期をずらすと卵巣機能の低下が予想されるが、20代のうちにできる対応策はある?

「20代のうちに卵子凍結法を行うことが、将来の可能性を高めるための選択肢として考えられます。ただし、このときに凍結するのは受精前のもの。この卵子が必ず受精して、赤ちゃんになるとは限りませんし、母体の年齢が上がれば妊娠に伴うリスクが高くなることも考慮してください」

年齢が上がれば、経済的に安定し20代のころと比べて精神的に成熟していることも考えられる。総合的に判断しつつ、ライフプランは早めに立てておこう!

(ノオト+石水典子)