少女たちの早すぎる初潮には色々と問題が(写真はイメージです)

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女性が歩む人生の第一歩「初潮」。かつては赤飯を炊いて祝ったものだが、現在は、ケーキでお祝いをする家が多い。最近、初潮が早まり、小学校3〜4年で迎える子も増えており、はたして体にいいの? とお母さんの心配は尽きない。

実は、早すぎる初潮は将来、乳がんになるリスクが高いのだ。初潮年齢は個人差が大きいが、できれば、初潮を早めるような食生活は改めた方がよいと専門家たちは指摘する。

仰天! 小学1年や幼稚園生で始まる子も

女の子は一体いくつで初潮を迎えるものなのか。数年おきに全国調査をしている日本心理学会によると、2011年の平均年齢は12歳2か月。1960年代に比べ、約1歳早くなった。統計をとっている最年少の小学4年生が初潮を迎えている割合を見ると、2008年には6.7%だったのが、2011年には7.4%に増えた。低学年で始まる子が増えているのは確かだ。

インターネット上には、母親たちの心配の声があふれている。

「私は中学生の時だったのに、小3の娘に初潮が来ました。よく食べる子で、胸がふくらみポッチャリしているので、早いかなと思っていましたが。勝気な子なので、男の子とどう遊ばせればよいか、心配です」
「息子の同級生に小1で来た子がいますよ。私が聞いた話で一番早かった子は幼稚園生でした。母親が仕事のため、祖母が1時間おきに幼稚園に行ってナプキンを変えていたそうです」

牛豚の赤肉や甘い飲み物をとり過ぎると初潮が早まる

最近、初潮を早める食生活に関する研究が相次いで発表された。2015年1月、米ハーバード大学が9〜14歳の少女約5600人を対象に調査した結果を発表した。糖分の多い飲料をよく飲む子の初潮年齢を調べると、飲まない子に比べ、平均で3か月早いことがわかった。砂糖が血液中のインスリン濃度を高めて体内のホルモンバランスを乱し、女性ホルモンが過剰に分泌されるからだ。

同大学のジェニー・カーウイル教授は「早すぎる初潮は、少女の思春期うつ病の大きな原因になるばかりか、将来の乳がんリスクを高めます。砂糖入り飲料には何の栄養価値もないので、飲むべきではありません」と警告した。

2016年3月、米ミシガン大学が、5〜12歳の少女456人を対象に、牛や豚の赤肉を食べる量と初潮年齢の関係を5年間追跡調査した結果を発表した。すると、1日に2回以上赤肉を食べている子は、週あたり4回未満しか食べない子に比べ、平均で5か月早かった。

米国の畜産農家には、牛や豚の成長を早めるため、飼料の中に成長ホルモンをたっぷり入れる所が少なくない。生後半年で親牛豚と同じ大きさになる。同大のエリカ・ヤンセン博士は「それらの成分が少女の初潮を早めている可能性があります。人生の早い段階での肉の過剰摂取が、その後の人生における乳がんの危険性を高めているのです」と警鐘を鳴らした。

両大学の女性研究者2人が、乳がんのリスクを指摘しているのは理由がある。両研究ともに、食生活の改善で早い初潮を防ぐことが乳がん予防につながるという目的で行なわれたからだ。

乳がんの発症には、女性ホルモンのエストロゲンが影響しており、生涯にわたってエストロゲンを分泌した量が多く、分泌期間(年数)が長い人ほどリスクが高いというデータがある。このため、初潮が早くて閉経が遅い欧米人は、初潮が遅くて閉経が早いアジア人より乳がんになりやすいといわれる。

日本の伝統食の魚を食べると少女の発育にもいい

日本乳がん学会は、ウェブサイトに「乳がんの危険因子」を、これまでの研究から「確実(にがんの発症に結びつく)」「ほぼ確実」「可能性あり」「証拠不十分」「大きな関連なし」の5段階に分類し公開している。そのなかで「早い初潮年齢」は危険度が2番目の「ほぼ確実」にランクされている。3番目の「可能性あり」にランクされる「喫煙」より高いのだ。

ちなみに、危険度1位の「確実」には、「出産経験がない」「初産年齢が低い」「閉経後の肥満」「授乳経験がない」があげられている。2位の「ほぼ確実」にはほかに「アルコール飲料」がランクされている。

ところで、将来の乳がんの心配をさけるために、食生活の改善で初潮年齢を早めないようにすることはできるのだろうか。

先の米ミシガン大学の研究では、赤肉を食べると早まる結果が出たが、逆にマグロやイワシなどの魚を週に1回以上食べていた子は、月に1回未満しか食べない子より平均で3か月遅いという結果が出た。魚油に含まれる「善玉油」のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が、少女の正常な発育にいい効果を及ぼすらしい。

マグロやイワシなどの青魚は、日本人が昔から食べていたものだ。食生活の欧米化により、肥満する少女が増えて初潮が早まっているが、やはりここでも和食がいいようだ。