スタンド使い達がダンスするOPは大正解


ジョジョ第四部のアニメ版もいよいよ第二話。初回はなかったオープニングが公開されたけど、スタンド使い達がダンス!


これが視聴者の間では賛否両論だ。前シリーズ、第二部のOPはスタンドバトルを前面に打ち出していたし、第一部から馴染みだった神風動画の原作タッチを活かした作画からの変更で、違和感を覚える声にも一理ある。
しかし、あえて言おう。「これは大正解であるッ!」と。原作では第四部の連載が始まってからしばらく、読者はどう楽しんだらいいのか戸惑っていた。世界を冒険するわけでもないし、「日常に潜む悪」とは身近でショボく見えやすい。第三部のスケールダウンじゃないの?と。
前回も言ったように、第四部は杜王町という奇妙な町と奇妙な住人の物語だ。十数話かかってジワジワと周知された楽しみ方を、アニメで初見の人にもさっさと理解してもらうためのOPなのだ。
まぁポップな色使いといい「街での異能力バトル」といいアニメ版『ペルソナ4』のリア充っぷりを意識した感はあるけれど、ジョジョの方が先輩だからな!

第二話はこんなお話


杜王町に潜む凶悪殺人犯・アンジェロのスタンドを目撃した仗助は、その旨を承太郎に報告する。折しも母・朋子の体内にコーヒーを介して侵入したスタンド! 仗助は機転によって捕らえるが、目を離した一瞬のスキに取り返しのつかないことが……。

「二人の少年を強姦し殺し」からも逃げない漆黒の意思


地上波での放映にあたり、目に見えるヤバさにおいては最もハードルが高そうな凶悪犯罪のデパート・片桐安十郎ことアンジェロ。原作ではもっと早く前科が話されているはずで、やっぱりテレビじゃ厳しいかな……。
そう諦めかけていたやさき、朋子が襲われているシーンで「12さいの時、早くも強姦罪で施設送りになり…」と承太郎のモノローグをぶっ込んできた。スタッフは漆黒の意思を持っている!
二人の少年を強姦し殺し、金持ちの一人息子の局部を切り取って死体そばの柱に釘で打ち付けていたことまで語られてるので、アンジェロが踏んづけたクソの出どころである犬とその飼い主への制裁まで再現。
アニメというより原作マンガ由来のスゴさは、悪人がやる悪行もスカッとさせるところだ。躾のなってない犬を噛みちぎり、タバコのポイ捨てまでやる飼い主の口に水のスタンドであるアクア・ネックレスをブーッ! おかげで読者は、現実に“やらかさずに”済むんじゃないか。
そして、アンジェロに目をつけられた東方家。承太郎に「自分が行くまでモノを一切口にするな、水場に近づくな」と注意された仗助は、まさにその時にアクア・ネックレスが、母に取り憑く現場を目撃。慌てず騒がず、母の腹をぶち抜いてスタンドをビンに封じ込め、瞬時に傷を治す仗助。さすが頭脳派ジョセフ・ジョースターの息子である。
承太郎が家に来るのを待つ間に、仗助が遊んでるゲームは原作ではよく分からなかったが(爆発してるだけ)、アニメでは第三部のテレンス・ダービー戦でプレイされた対戦型本格野球ゲーム「Oh! that's a baseball」に挿し替えられ、キャラもクレイジー・ダイヤモンドに。 仗助、きさまこのゲームやり込んでいるなッ! タイトルも劇中に合わせて、1999年になってる徹底ぶり……ファミスタみたいに10年以上もシリーズ続いてたの?

エンディングがサヴェジ・ガーデンで原作ファンは胸熱


ビンに捕らえられたアンジェロ=アクア・ネックレスは、家に帰ってきた仗助のおじいちゃんが、かつて自分を施設送りにした東方巡査だと気づく。夜勤明けに必ず!ブランデーを一ぱいやんのが楽しみだったこともよーく知っている。体液を琥珀色に変え、ブランデーのエンブレムまでも偽装し……。
こうして犠牲になった東方良平巡査は「仗助のクレイジー・ダイヤモンドは傷は治せても失われた命は戻らない」ことの裏付けと「仗助が街を守る遺志を受け継ぐ」という点で、早々に退場はするが最重要キャラの一人と言っていい。
そこを掘り下げて、じいちゃんのバックグラウンドを分厚くするアニメの心憎さ。「今週のビビらせ勝負」で茶目っ気を強調するから、「町を守っている男の目」も落差で輝く。さらに背景には、高校進学前の仗助や朋子達との記念写真。原作では読み取りにくかった位牌にも 「福守良道信士」としっかり戒名が刻まれている。どんだけおじいちゃん子なんだよスタッフ。
さらに、その位牌は2階に安置されている。雨が降ってアンジェロの襲撃が始まったとき、仗助が2階から飛び降りてきたのも、おじいちゃんの遺影に手を合わせていたから。2階にいたために、屋根に開けられていた雨漏りにも気づいたという伏線の貼り方がグレートですよ。
家の中に侵入したアクアネックレスは、今度は蒸気になっているためビンでは捕まえられない。承太郎のスタープラチナがオラオラと天井や床に叩きつけるシーンが追加されてるが、まるで効果なし。後輩の主人公・仗助を立てるいい先輩ですよね。
仗助が切り抜けるのではなく壁をぶち壊し抜けた先に加湿器がセットされ、まんまとアンジェロの予想通り……というのも仗助の予想通りで、ズタズタにしたゴム手袋を飲み込んでおいて“直し”、再び封じ込めに成功する。
そしてお待ちかねの制裁タイム。原作では「岩と一体化してこの町のこの場所で永久に生きるんだな」とゾッとするばかりだった台詞が、「じいちゃんの守ったこの町で〜」と優しくアレンジされて、仗助が町を守る決意がいっそう固まっている。
今回もいい話だった…そう涙ぐませて「アンジェロ岩!」と解説を始める大川透氏ナレーションに爆笑。大川さん、ジョジョシリーズで皆勤賞ですよ!
エンディング曲はサヴェジ・ガーデンの「i want you」。何も知らなくても素敵な曲だが、原作第六部の「サヴェジ・ガーデン作戦」を知ってると胸熱なのだ。
(多根清史)