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●パナソニック「HC-WX990」で卒園式
春と言えばお別れと始まりの季節だ。筆者宅でもこの春は、長女の幼稚園卒業、そして小学校入学という一大イベントがあった。誕生からもう6年たつのかと思うと、感慨深いモノがある。長女の年齢と成長の記録はパパとしての成長の記録でもある。イベントごとにビデオカメラとデジタルカメラの撮影経験値を高めながら、よりよい思い出を残していく。

著者は、子どもの成長に合わせてデジタルカメラやレンズを買い替え、買い足してきたが、ビデオカメラだけは長女が誕生したときに買って以来、ずっと同じモデルを使い続けてきた。しかし、その間にビデオカメラは4Kモデルが続々と登場。使い勝手や機能もアップしている。そこで今回、長女の幼稚園の卒業式で、最新のビデオカメラをテストしてみた。使ったのはパナソニックの「HC-WX990」だ。

○パナソニック「HC-WX990」で卒園式

HC-WX990は、パナソニックの個人向け4K対応ビデオカメラとして第2世代となるモデル。4K動画を撮影できるだけでなく、撮影した映像を後からカメラ内で編集できるのが特徴だ。4Kの解像度はフルHDの4倍もある。その点を利用して、撮影済みの映像内でパンしたり、ズームインできる。

早速、卒園式を4Kで撮影してみた。こうした公式イベントでは園によってさまざまなルールがある。著者の子どもが通う園でも、三脚や一脚は使用禁止なので、ビデオ撮影はすべて手持ちで行うことになる。そんな場合は、卒業式すべてを撮影しようと考えるのはやめて、撮影するシーンをあらかじめ決めておくのがオススメだ。

撮影前の準備としては、子どものクラス名や入場順、式のスケジュールを事前にチェックしておこう。筆者の子どもが通う幼稚園は地域でも大きな園だったため、ひと学年100人を超す園児がいる。このため、他のクラスまで撮っていては後で見直すときもつらい。

脇を締めて身体でHC-WX990を固定しながら、実際に子どもの卒園式を撮ってみたが、暗めの体育館でも4Kの高精細映像をしっかりと撮影できた。多くのお父さんで混雑していたので、ちょっとブレたかなと思ったシーンもあったが、5軸ハイブリッド手ブレ補正機能が利いて、撮影後の映像を見る限りそれほどブレは気にならなかった。この手ブレ補正機能の進化も最新のビデオカメラに買い替えるメリットの一つと言えそうだ。

HC-WX990は傾き補正機能も搭載している。卒業式はステージを写すので水平のズレが気になりやすい。他の父兄の肩越しにハイアングルで撮影するときにも、この傾き補正機能が活躍する。ただし、傾き補正「強」は4K撮影時には設定できず「標準」のみ利用できる。

●カメラ本体で「あとから編集」
○4Kビデオカメラだから切り出せる

HC-WX990の4K画質で卒業式を撮影する最大のメリットは、撮影後に「あとからズーム」で一部をアップにできるということだ。これまでのフルHD画質のビデオカメラでは撮影時にズーム画角などを決める必要があった。しかし、「あとから編集」ができるHC-WX990Mなら、4K画質で撮っておきさえすれば、好きな位置にズームしてシーンを切り出したり、パンして動きを作り出すことができる (編集後はフルHD解像度になる)。

この「あとから編集」機能では、ズームやパンのほか、手ブレの低減なども可能。ちょっと撮影をミスしたとしても、フルHD画質に落とすことで、十分にキレイな卒業式ビデオが作り出せるというわけだ。

さらに便利なのが4K画質で撮影した動画なら、静止画に切り出しても、非常にキレイということ。もちろん、フレームによってはブレていることもあるが、いちいちビデオカメラを回しながら写真を撮るといったことをしなくても、4K動画から気に入ったシーンを約800万画素の写真として切り出すことができるのだ。

HC-WX990Mは一般的なフルHDビデオカメラと比べると一回り大きいが、実際に手に持ってみると、見た目より軽く感じた。質量は約473gあるのだが、しっかりとした重さがある分、ブレにくいともいえる。ただし、女性の手にはちょっと大きいので、パパが動画担当という場合に向いているだろう。

このほか、明るすぎるシーンや暗すぎるシーンなどでも撮影できるHDR撮影機能やナイトモードを搭載。また、スマートフォンからのリモート操作や、Wi-Fiを利用したワイプ動画撮影など、最新の機能を数々備えている。

4Kはまだテレビの普及もそれほど進んでおらず、手を出しにくいかもしれない。しかし、「4Kが当たり前」となるのは時間の問題。これから家族のイベントを記録するなら、4Kがオススメだ。4K撮影対応のスマートフォンもある時代。ならば、動画を撮るための専用機であるビデオカメラをフルHDで留めておく意味はない。

(コヤマタカヒロ)