キャプテンとして攻守でチームを牽引する遠藤の存在なくして、“手倉森ジャパン”の躍進は考えられない。リオでも持ち前のリーダーシップを発揮するはずだ。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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【当確】
GK 櫛引政敏(鹿島)
DF 岩波拓也(神戸)、植田直通(鹿島)、奈良竜樹(川崎)
MF 遠藤 航(浦和)、中島翔哉(FC東京)、南野拓実(ザルツブルク)
FW 久保裕也(ヤングボーイズ)
 
 キャプテンの遠藤、「10番」を背負う中島、欧州組の南野と久保、立ち上げ当初から守備の中心として働く植田と岩波は、もはや“鉄板”だろう。
 
 CBは、そこに奈良を加えたトリオでほぼ当確と見る。3人は全員身長180センチ以上、エアバトルに強く、屈強な相手に対抗も可能だ。所属クラブで今季全試合に先発出場しており、リオ五輪世代の中で「今、最も充実している」と言っても過言ではない。それだけに、このポジションでオーバーエイジ枠を使う可能性は低いはずだ。
 
 攻撃陣に目を移すと、欧州組の久保と南野は五輪最終予選前に比べて所属クラブで途中出場が増えている。とはいえ、久保は先発した4月9日のルガノ戦で今季7点目、3月のザンクト・ガレン戦でも出場わずか6分の間にゴールをマーク。鈴木が長期離脱(左大腿四頭筋肉離れで全治約3か月)で本大会出場に黄信号が灯っているだけに、「エース久保」は外せない。
 
 FC東京でベンチ入りできず、J3のFC東京U-23でプレーしている中島は、静岡合宿の清水戦でも結果を残せなかった。「対世界」と考えると強敵と対峙した際の実戦感覚に不安を覚えるが、チーム発足以降最も多くのゴールを奪い、手倉森監督の信頼も厚い。これまでの実績を加味すれば、当確に振り分けても違和感はないだろう。
 
 GKにノミネートした櫛引は、「正守護神」という意味ではなく、まずは「リオ行き」という観点で当確とした。今季、さらなるレベルアップを目指して鹿島に移籍したものの、ベテラン曽ヶ端の牙城を崩せず、第2GKに甘んじている。代表ではライバルたちが印象的なパフォーマンスを見せられていないため、序列トップは守られている状態。ただ、守護神の座をより確実なものにするには、クラブでのアピールはマストになる。
 
 
【有力】
GK 中村航輔(柏)
DF 亀川諒史(福岡)、山中亮輔(柏)
MF 大島僚太(川崎)、原川 力(川崎)、矢島慎也(岡山)
FW 浅野拓磨(広島)
 
 浅野は本来、「当確」でもおかしくはない。そのスピードと勝負強さは最終予選でもチームを救った。しかし、左足の負傷でポルトガル遠征を辞退し、3月末にも右腸腰筋損傷(全治3週間)で戦線離脱。スピードの源となる足が万全でなければ、持ち味は半減してしまう。わずか1週間のオフで今季を迎え、勤続疲労が否めない分、「有力」に留めた。
 
 矢島は2列目ならどこでもこなし、昨季途中から岡山でボランチとしても新境地を開拓。静岡合宿の清水戦では、ボランチ起用の可能性を試された。手倉森監督の“秘蔵っ子”とも言うべき存在であり、「矢島の力は分かっている」という言葉も受けている。

 とはいえ、ボランチには副キャプテンの大島、キック精度に定評のある原川もおり、さらにはオーバーエイジ候補で柴崎の名前も挙がっている。この世代で見れば、矢島、大島、原川の3人で2枠を争うような構図か。

 室屋と松原の故障で本命不在のSBは、右も左もできる亀川、精度と破壊力を備えた左足を持つ山中をセレクトした。もっとも、両者とも明確な結果を残しているわけではなく、山中に至ってはアピールのチャンスだったポルトガル遠征と静岡合宿を負傷で辞退している。オーバーエイジ枠を使用するとなれば、「門戸」はさらに狭くなるだけに、リーグ戦と5月の代表活動がひとつポイントになりそうだ。

 メキシコ戦でゴールマウスを任された中村は、GK争いの“陰のキーマン”と言える存在だ。他の候補者たちがクラブでバックアップに甘んじているなか、唯一レギュラーとしてプレーしている。シュートストップの能力は手倉森監督も認めるところで、判断力や安定感を磨けば、櫛引に肩を並べるかもしれない。