フライパンにうっかり触ってアチチ! そんなときに覚えておきたい“やけどケア”

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料理をしたり、アイロンや暖房器具などにうっかり触れたりして、思いがけずやけどをしてしまったとき、どうしている? 「痕を残さず治すためには、正しくかつすばやく手当てをすることが重要です」と、湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長の山下理絵さん。

やけどをしてしまった場合、損傷を周囲の組織に広めないために、とにかく水道水などの流水で冷やすのがベスト。ただし、患部に直接、水を注いでしまうと、水圧により症状が悪化してしまう可能性があるので避けること。冷やす時間は、痛みが和らぐのを目安に15〜30分ほどと考えて。

「患部が腫れてくるので、指輪などのアクセサリーや時計はすぐに外しましょう。また、やけどをしたのが顔や耳などの頭部で、シャワーをかけられない状況なら、保冷剤や氷のうなどを清潔なガーゼなどでくるんで患部に当ててください」(同)

やけどしたところの表皮や真皮は損傷しているため、非常にデリケートな状態。細菌が入りやすく、感染すると損傷がさらに拡がってしまう。治るまでに時間がかかったり、やけど痕が残ったりしやすいので注意が必要。

「やけどは重症度別に大きく3度に分類され、自宅でのケアで対応できるのは、損傷が表皮だけで皮膚が赤くなる程度の『I度熱傷』まで。損傷が皮膚の中間層まで及んで水ぶくれができる『2度熱傷』以上のやけどは、専門的な治療が必要になります。赤み以外の症状が出ているようなら、形成外科で診てもらってください」(同)

自宅で治療をするときは、やけど用の軟膏を塗り、摩擦などの刺激を防ぐために、そのうえから被覆材(ひふくざい)を貼って保護を。このとき患部が乾燥しないよう、1日1回は、白色ワセリンや薬の塗布と被覆材の取り替えを行うこと。

また、新しい表皮が作られるのを妨げないよう、患部を日差しや水にさらさないように気をつけるべき。表皮の炎症でとどまっている軽度のやけどなら1、2日ほどで跡を残さずに完治できるはず、と山下さん。

「セルフケアを行った翌日までヒリヒリした感じが残っているようなら、深いやけどの可能性ががあるので形成外科で診てもらってください。治療がやけどの翌日ぐらいであれば、痕を残さず治せることが多いです」(同)

軽いやけどでも、正しいケアをしないと跡が残ってしまうことも。「これくらい大丈夫」と考えず、しっかり対策を。

山下理絵
湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科。医学博士、同病院形成外科・美容外科部長。日本形成外科学会専門医、日本形成外科学会認定施設長、日本美容医療協会認定専門医、日本レーザー医学会専門医、指導医、日本熱傷学会専門医、日本熱傷学会認定施設長、日本抗加齢医学会専門医、Medical skin care specialist direct doctor、北里大学非常勤講師、横浜市立大学非常勤講師。外傷や再建、腫瘍など形成外科の診療はもちろんのこと、子供のあざやしみなどのレーザー治療では定評があり、多くの講演や教育を行っている。最近では、幹細胞を用いた乳房再建を行い、ウーマンライフのQOLの向上にも努めている。