2018年W杯ロシア大会への出場権を争う、アジア最終予選の組み合わせが決定した。

2018年ロシアW杯アジア最終予選組み合わせ
【グループA】イラン、韓国、ウズベキスタン、中国、カタール、シリア
【グループB】オーストラリア、日本、サウジアラビア、UAE、イラク、タイ

【日本代表 試合日程】(※左側がホーム)
2016年 9月1日 日本vsUAE
      9月6日 タイvs日本
     10月6日 日本vsイラク
     10月11日 オーストラリアvs日本
     11月15日 日本vsサウジアラビア
2017年3月23日 UAEvs日本
      3月28日 日本vsタイ
      6月13日 イラクvs日本
      8月31日 日本vsオーストラリア
      9月5日 サウジアラビアvs日本

 グループBに入った日本と同組になったのは、オーストラリア、サウジアラビア、UAE、イラク、タイ。全6カ国がホームアンドアウェーの総当たりで対戦し、上位2カ国に入れば出場権獲得が決まる。3位になった場合はグループAの3位と対戦し、勝てば北中米カリブ海予選4位との大陸間プレーオフに回ることになる。

 この組み合わせ抽選の結果を受けて一般的な関心は、これが日本にとって恵まれたものなのかどうか、ということだろう。

 その結論を出すために、まずは抽選方法をおさらいしておきたい。

 今回の組み合わせ抽選では、最終予選に進出した12カ国が現時点でのFIFAランクの上位から順に、以下のとおり2カ国ずつ6つのポットに分けられた。

ポット1:イラン、オーストラリア
ポット2:韓国、日本
ポット3:サウジアラビア、ウズベキスタン
ポット4:UAE、中国
ポット5:カタール、イラク
ポット6:シリア、タイ

 そのうえで、各ポットの2カ国をグループA、Bに振り分ける抽選が行なわれた。こうすることで、実力の近い国がふたつのグループに分かれることになり、一方のグループだけに強豪国が偏らないようにしたわけである。

 なるほどポット1、2あたりは、それらしく見える。

 ただし、ここで問題となるのは、ポット分けがFIFAランクを元に行なわれたことである。FIFAランクは各国の実力を計るひとつの目安にはなるが、現時点での正確な力関係を示すものではない。要するに、ポット1から6まで実力順に並んではいないということだ。

 最もわかりやすいのは、UAEと中国が入ったポット4だ。2015年アジアカップでベスト4に進出するなど、着実に力をつけているUAEに対し、中国の実力は最近の実績から考えて、おそらく全12カ国で最下位。この2カ国はFIFAランクでは接近していても、実際の力には大きな開きがある。

 また、ポット6も同様だ。2次予選で日本がホーム(5−0)とアウェー(3−0)でともに楽勝したシリアに対し、タイはイラクを出し抜いて2次予選を首位通過している。シリアが自国で試合を行なえない一方で、タイは高温多湿のホームでこそ力を発揮することを含めて考えれば、ここもまた両者の力の差は大きい。

 つまり、これらの"当たりとハズレの差が大きい"ポットからは、ことごとくハズレ(強いほう)が日本のグループに入ってきたということになる。

 しかも、日本にとって厄介なのは、その嫌な相手といきなり対戦しなければならないということである。

 9月1日に幕を開ける最終予選。日本は大事な初戦をホームで迎えるとあって、勝利して好スタートを切りたいところだが、その初戦で対戦するのが、UAEなのだ。

 UAEは2008年アジアユース選手権で優勝し、2009年U−20W杯でベスト8に進出。その後も2012年ロンドン五輪にも出場(グループリーグ敗退)するなど、若手が台頭してきており、その成長力は侮れないものがある。実際、2015年アジアカップでは、日本は準々決勝でUAEに(1−1からのPK戦とはいえ)敗れている。

 若手を中心に技術レベルは高く、組織的にも洗練されており、しっかりと攻撃を組み立てて主導権を握る戦い方ができる一方で、割り切って守備を固めることもできる。それだけに、絶対に勝ち点3がほしい初戦で対戦するには実に厄介な相手だ。

 そして、UAEとの初戦からわずか5日後の第2戦、日本が最初のアウェーゲームで対戦するのがタイである。

 近年、自国リーグの充実を背景に力をつけているタイ。それでも、日本のほうが単純な実力では上位だろうが、厳しい蒸し暑さに適応する時間的余裕も与えられないまま、アウェーで戦うとなれば、話は違う。日本がタイのテクニックとスピードに手を焼く可能性は十分にある。

 加えて、日本代表の主力の多くを占める海外組にとって、9月はまだ新しいシーズンが始まって間もない時期。コンディションが上がり切っていない中、残暑厳しいであろう日本と、それ以上に蒸し暑いタイでの試合を強いられるのである。

 今回のアジア最終予選、日本は組み合わせ抽選に恵まれたかと聞かれれば、答えはノー。初戦がホームで中国戦、第2戦がアウェー(と言っても中立地だろう)でシリア戦だった場合と比べれば、その違いは明らかだ。最悪の組み合わせではなかったものの、それでも恵まれた、とまでは言い難い。

 日本は最終予選開幕直後、いきなり大きなヤマ場を迎えることになりそうだ。

浅田真樹●文 text by Asada Masaki