4月13日、5年ぶりとなるキリンカップの出場国発表記者会見が開催された。席上で岡崎慎司について聞かれたヴァイッド・ハリルホジッチ監督はほんの少し笑いながら岡崎について語り始めた。岡崎を称賛する話の中にも、ハリルホジッチ監督のシビアな視点が見え隠れした。

「岡崎、すべてを出し尽くす選手ですね。このような選手がチームにいるということはうれしいことです。チームのために彼が犠牲を払う。決してロナウドやイブラヒモビッチのようなエゴイストではない」

監督はまずそう言って岡崎の献身的な働きを讃えた。そして「今シーズン、彼はとても疲労していると思います」という。その疲れがひどい場合、6月のキリンカップでは起用しない可能性も示唆した。

一方で監督は「しかし私は勝つ野心を持っています。若い選手にも機会を与えたいですし、私の目的はこのチームを本大会に連れて行くことです」と語る。

さらにこう続けたのだ。

「そして2年後、選手がどうなっているかを予想もしながら戦っていかなければなりません。2018年、本大会に言ったときにパフォーマンスがあるのかどうか。その試行を私はしているのです」

これは何を意味するのか。岡崎が本大会で調子がいいとは限らない。負傷している可能性もある。だからこそ、「フットボールをやっている全選手に対してのいい見本」という岡崎を抜きにして戦う方策も練るということだろう。

このキリンカップには25、26人の選手を招集する可能性があるという。そして新戦力を試すかもしれないというのは、岡崎が使えないという事態を想定しているのではないか。

岡崎と言えど、席は用意されていない。ハリルホジッチ監督のドライな視線が代表選手たちには向けられている。

【日本蹴球合同会社/森雅史】