中国メディア・東方早報は12日、日本の近現代における発展は人材資源づくりが基本あってのものであるとし、その戦略について論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・東方早報は12日、日本の近現代における発展は人材資源づくりがベースにあってのものであるとし、その戦略について論じる記事を掲載した。

 記事は、吉田茂元首相がかつて「教育は現代化において主要な役割を果たした。これが日本における現代化の最大の特徴である」と語ったことを紹介したうえで、人材育成のための日本教育制度の歴史について解説。そして、日本の人材資本戦略の特徴について4点にまとめて論じている。

 1点目は、明治維新の「殖産興業、富国強兵」の国策にしろ、1960年代の「所得倍増計画」にしろ、国の重大戦略において人材資本戦略を不可欠のものとして重視し、大々的な施策を講じてきたこと。イノベーション戦略を打ち出した今の中国では「なおのこと人材資本の構造、配置、育成体制をしっかりとデザインすべきなのだ」とした。

 2点目は、日本では50年代に職業教育を、90年代に大学院生教育を大々的に発展させ、当時の人材ニーズを満たすのみならず、絶えず国民の教育レベルを高めることで長期的な人材資本の基礎が固められたことを挙げた。

 3点目は日本は戦後の比較的早い時期に、経済的に遅れた地域の教育財政支援を立法化して貧困家庭の学業成就を支え、社会の公平化を積極的に促進した点だ。地域的な貧困差に伴う教育機会の差が極めて大きくなっている今の中国において、教育の公平化を進めることが喫緊の課題となっていることを示した。

 そして4点目は、企業内における教育の充実、労使関係の安定により、企業内の人材資本蓄積が促されたこと。中国では多数の中小企業において労使関係が不安定であり、従業員の知識・技術を高める機会が不足していると指摘。「農民工」と呼ばれる出稼ぎ労働者の権利確保を手掛かりに、労使関係の安定、企業内教育の発展を進める必要性を論じている。

 教育は人材育成の礎であるばかりでなく、社会発展の礎でもある。現在の社会習慣を変えていくには、長期的な視点に立って教育の部分から着手することを考えなければならない。近年問題視されているマナーやモラルの問題も然りである。

 人材育成が1年や2年で大きな成果を出せないのと同様、マナーやモラルも短期的に解決できる問題ではない。「中国人観光客のマナーが以前より良くなった」とのニュースを中国メディアで見かけるようになったが、あくまでそれは表面的な現象。根本的な解決を目指すのであれば、次世代を担う子どもたちへの弛みない教育が必要なのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)