イラスト/びごーじょうじ

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 人気番組『料理の鉄人』に出演し「おいしゅうございます」の言葉で人気を集めた岸朝子が料理記者の道に進んだのは32歳のことだった。岸はその後、日本の食文化に大きく貢献し、また女性だけの編集プロダクションを立ち上げるなど、働く女性の先駆け的存在だった。

 酒をたしなみ、喫煙者でもあった彼女が長生きした理由はなにか。女子栄養学園(現在の女子栄養大学)で学んだ岸には栄養学の知識があった。著書の中でも大学の創設者、香川綾考案による「四つの食品群」を目安に食べるように勧めているが、昼にごちそうを食べたら夜は軽くするなど、1日1500キロカロリーになるように調整し、栄養バランスには気を配っていたようだ。

 ところで1日1500キロカロリーをバランスよく摂取するのはなかなか大変である。特に不足しがちなのは果物類、豆類と海藻類。岸は朝、牛乳と一緒にリンゴやグレープフルーツなどをミキサーにかけ、ジュースにしてビタミンと繊維を取っていた。

 沖縄出身の両親を持つ岸が得意としていたのは沖縄料理である。沖縄料理は長寿の食卓の宝庫だ。豆類と海藻類の扱い方も上手で、豆腐をチャンプルーなどでメインにしてよく食べる。海藻類もモズクや海ブドウ、アオサなど豊富で、本州でだしとして使われる昆布を炊き込みご飯やあえ物、豚肉と一緒に煮込むなどそのまま食べることにも特徴がある。海藻類は豚肉や豆腐に足りない食物繊維を補ってくれる。

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